第四章 学校には通報の義務

 いじめの対処に失敗すると、学校は激しい批判に晒されることになる。

 しかし先にも述べた通り、事案によっては、学校の対処能力を超えてしまうことも多々ある。

 学校側は責任を回避するために、『いじめはありませんでした、ありませんでした』(イエモン風に)と、崖っぷちに追い込まれても繰り返すことになる。


 そこで、責任の所在と範囲を明確にしておきたい。


 まず、学校は普段から、教育委員会の担当者と連携しておく。

 学校側は、定期的な報告を義務とし、教育委員会の担当者は、各校の状況を常に把握しておく。

 また、レベル3のいじめが発覚した場合は、即時報告の義務を課す。


(レベルと条件に関してはまた後程)


 学校側は、いじめで問題が発生しても、報告義務を果たしている場合には『原則的に』責任を問われない。

 事実を把握しておきながら報告を怠った、或いは隠蔽した場合にのみ責任を問われる。


 教育委員会の担当者は、学校側に指導、助言を行う。

 学校で独自に対処出来るのであれば、それに越したことはない。

 対策班は、被害者の要請、学校の要請、要件を満たしている、条件に合致している、或いは独自の判断で、学校への対処チーム派遣を決定することが出来る。


 現状では、いじめの存在が公になると、学校や管理者の評価に影響すると言われている。


(ネットの噂)


 しかし、いじめを完全に防止することは困難である。事前の対策も重要であるが、労力とコストに見合った実効性が得られるとは思えない。事後の対処にも、より重点を移すべき時ではないだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る