第二章 専従のいじめ対策班
教師によるいじめ対応には、自ずと限界があることは先に触れた。
彼らにはいじめ事案解決に必要なスキルも権限もない。
それならば、スキルと権限を有したプロフェッショナルに対応を任せるしかない。
まずは各都道府県の教育委員会に、専従のいじめ対策班を設置する。
しかし教育委員会において、普段どのような業務を行っているのか、筆者は知りません。
どのくらいの需要と仕事量があるかも不明です。
人数や規模はどうするのか、この辺は現状を鑑みた上で、検討が必要であろう。
取り敢えず、担当者を決めておいて、他の業務と兼任でもいいかもしれない。
政令指定都市レベルなら、独自に設置するのも可能であろう。
学校の数を考えると、市町村レベルで担当者一名を置いて兼任させる。そして、都道府県レベルで指示監督を行うくらいの規模と組織形態が適当かもしれない。
担当者は、普段は学校と連携し、いじめ事案の把握やアドバイスを行う。
学校側は、担当者に定期的に報告を行う。またレベル3以上のいじめ事案を認知した際には、直ちに通報の義務を負う。
担当者は報告に基づいて、学校側に指導助言を行い、常に状況を把握するよう努める。介入が必要と判断した場合は直ちに報告し、協議の上で、都道府県知事の命令により、対処チームが派遣される。
チームは三~四名で、教師経験者、ケースワーカー、カウンセラー、元警察官などで構成される。彼らは研修を経て、学校外部での調査、各種の心理学、教育学、法律、IT、生徒への聴取など、専門の研修と訓練によって必要なスキルを習得している。
チームが現地で調査、生徒への聴取を行い、然るべき基準に基づいていじめの事実を認定した上で、解決を図る。
必要なスキルを備え、学校よりも上位の権限を付与されたプロフェッショナルが、都道府県知事の命を受けて派遣され対応に当たることで、教師では対応しきれない事案にも対処が可能となるのである。
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