第6話 ダンジョンでのお仕事

「まじっくぶらすと、ふぁいあ!」


かび臭いダンジョンに、ステラの舌足らずな声が響き渡る。




ステラの手のひらから放たれた魔導弾が、薄暗い通路を青白い光で照らし出す。


魔導弾は、回廊の奥にいたスライムに着弾し、その柔らかな体を微塵に四散させた。




スライムを掃討したのを確認すると、ステラは踵を返し、こちらに向かってふよふよと飛んできた。




「ますたー、すらいむたいじ、おわったよ!」


ステラが舌足らずな声で、私に報告する。




「よくやった、ステラ!お仕事ご苦労さん!」


私はステラの帽子を取り、あたまをよしよしと撫でてあげた。


ステラは嬉しそうに目を細めて、されるがままになっている。




「ロボ〜〜!ロボもお仕事終わったロボ〜〜!」


「がう〜〜!」


背後からロボ美とレオナの声が聞こえてきた。


別のルートを巡回していた二人が、一仕事終えてこちらに合流してきたのだ。




「ステラばっかりずるいロボ〜〜!ロボも褒めてほしいロボ〜〜!」


「がう〜ん!」


「よしよし、よくやったわ、二人とも!」


私は相棒たちを抱きしめ、よしよしと彼女たちの健闘を労ってあげた。




「よし、午前中の仕事はこれで終わり。お昼を食べて少し休憩しようか?」


「「「おーー!」」」




元気よく答える相棒たちとともに、遺跡の出口へと向かう。




ドワーフ遺跡の警備を始めて今日で三日目。


今日が依頼の最終日だ。




午後からの巡回を終えれば、依頼は全て完了となる。


幸いというか、今までたいした敵には出会うことなく、仕事を終えることができた。




まぁ、遺跡の第一階層で出会う魔物なんて、スライムやゴブリンみたいな雑魚敵がほとんどなんだけどね。




このまま、無事何事もなく依頼を終えることができればいいけど。




頭の隅でそんなことを考えながら、私たちは出口への道を急いだ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

キリングドールカンパニー!ー~不遇職『人形使い』でダンジョン無双!!~ 鳴雷堂 哲夫 @mh2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ