第12話:自室での出来事※

 俺は部屋に入っても、なお体の熱が収まらない。眠ろうとベッドに突っ伏してみれば、先ほどの手の感触が蘇り、顔がにやけてしまう。


 このムラムラを処理するには、やはり自家発電するしかないだろう。一生懸命俺の体が子孫を残そうと必死になっている証拠なのだから、これは出さないとヤバイ。


 ズボンを脱ぎ、これでもかと主張している自身のモノに手をかけようとしたそのとき、本棚にあった1冊の本が落ちた。俺はパンツ一丁のまま本棚へと近づくと、そこには監視カメラのようなものが仕掛けられていた。


 マジかよ。あの姫様ここまでするのか? これでは出すものも出せない。一瞬見せつけてするのもありかと変態思考がよぎってしまったが、そこまでする気にはなれなかった。ドン引きしたせいで俺の息子も収まってきたようだ。


 もう諦めて寝るしかないとズボンを履き、ベッドに寝転んだ。


トントン


 俺はノックの音に驚く。まさかアーリエ姫じゃないよな。俺のこの姿を見てしまったからわざわざ来たのか? けれど、先ほどの様子から見てそれはあり得ないだろう。妄想を消し去って、扉を開けることにした。


 扉の前にいたのはオリビアだった。


「えっ、オリビア。どうしてこんな夜に、俺のところに?」

「ロイ様……抱いてぇ。体が疼くのぉ」

「なんだって?」


 思わずまさかのラッキースケベに喜んでしまう自分がいた。ヤッホー。俺はついてるぞ!! 


 浮かれていた俺をオリビアがベッドに押し倒した。積極的なJKとか最高過ぎるじゃないか。俺はそのままされるがまになっていた。


「はぁ、はぁ、熱い。苦しい」


 そういうとオリビアはどんどんと服を脱いでいく。ストリップショーでも見ているような気になってくる。おひねりでもあげるべきだろうかなんてそんなことまで考えてしまっていた。


 とはいえ、オリビアがこんなタイプだったっかと疑問に感じてきた。「ナンパはちょっと」とか言うような硬派なイメージだった彼女が、夜這いのような真似をして脱ぎ始めるということに違和感を覚えてしまう。


「ねぇ、オリビアどうしたの。なんか変なものでも食べた?」

「はぁはぁ。ジョイ様が……で……はぁはぁ。……飲みました」

「何を飲んだんだい?」

「はぁはぁ。赤い血のように綺麗な色のものです。ロイ様もう限界なの。早く、この疼きを止めてぇっ」


 俺の上に覆いかぶさると、キスをしてきた。待ってくれ。俺のモノがこれ以上反応すると、さっき我慢していたから……


 キスしたときに、鼻にイチゴのような甘い香りが漂ってきた。まさか……ベリベリの実を液体状にしたものを飲まされたのか。俺は覆いかぶさってきたオリビアを引き離して、本棚に合った薬草の本を引っ張り出して、確認する。


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ベリベリの実……媚薬の薬草。効き目が強いため使用は禁止になった。媚薬を解くには欲求を発散させるか、それとも、パキラの葉を生で食べさせるとよい。

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 マジかよ。設定なのかというくらいちょうどいいところにあるじゃないか。クソっ。なんか踊らされている気がして癪だが、オリビアを解放してやるのが先だ。


 俺の中でエロいことをしたくても、病人や意識のない者にはしないと決めたんだ。強姦まがいなことなど下品すぎるし、紳士ではない。


 そう言いつつも、反応してしまうのが男の性なのだが……俺は窓際にあるパキラの葉っぱを一枚ちぎり、オリビアに食べさせようとする。


「オリビア、君は今媚薬を飲んだ状態で正気じゃないんだ。これを噛んで。なら元に戻るから」


「いやっ。葉っぱよりもロイ様のモノを食べたい」


「ぬおっ!!」


JKの破壊力やべぇーー!! 


「この大きいのを食べたら、きっと美味しいんでしょ? たぶんこれで治るよ?」

「こらっ、脱がせるんじゃない」


 俺は必死の抵抗を試みる。まぁな。そうなんだろうけどね。けれどね、おっちゃんそんなんされたら、きっともう止まれないんだよ。そんな嬉しいことは、しらふの時に言ってね。なら喜んで抱いてあげるから。


 心で俺はオリビアに話しかける。アーリエ姫なら通じるんだろうけどな。こういうとき、便利だよな。どうせならアーリエ姫だったらよかったのに。


ん? 俺今何を思った? まさか……まさかだよな。この年で恋なんてしないよな。このままでは有名なあの曲みたいなこと言ってしまいそうだから、これ以上はやめとこう。


「らめっ。これ食べる。バナナみたいっ。違うかな。ちょっと固いし……」


「こらっ。それ以上はやめなさい。規制が厳しいんだから」


「規制って?」


「上目遣いしてもダメ。大人の事情です。ほら、そんなに食べたいならこれを食べなさい」


 なんだか、大人というより先生になったような気がしてくる。


「んん? これ? 食べるの? わかった」


 案外素直でよかったと喜んでいると、オリビアは俺の指ごと噛んだ。


「いたっ」


 オリビアの口から慌てて引き抜くと、唾液で濡れて糸が引いている自分の指がまたエロイ。ダメだ。これはまずいぞ。このまま舐めれば間接キスだよな。このままだと理性のリミッターが外れてしまいそうだ。むしゃむしゃと噛む姿もまたそそられるものがあるのだ。


「んっ、これ、にっ、苦いのっ。変な味するの」


 なんだろう。この心がざわざわしてしまう感じ。これはあれか。俺の中であれに変換してしまっているのだろうか。きっとそうに違いない。もうダメかもしれない。自然とオリビアに近づいている自分がいた。キスしそうな距離まで近づいたその時……


パチン


 俺の顔に平手打ちを食らわされていたのだった。うん。これでよかったんだ。オリビアが元の純情JKに戻ってよかった。そうだよな。そんなこの俺がうまいこといくわけないよな。


 俺の下半身は何度も全集中させられてしまい酷使されてしまっていたのだろう。限界を迎えたようだ。平手打ちをきっかけに、俺はそのまま意識を飛ばしていたのだった。


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