第8話カキュカキュカキュ_これって何の音だぁ〜
風呂は苦手じゃないけどシャワーって嫌いだ。
最近はあればかり使ってる。
湯舟に浸かってるなら蓋の上で見ててやるのにさ。 だから今も外で
そこに
「ちょっといいかぁ。カランに切り替えてくれ」
「チョイ待って。水を停める」
キュッと音がして扉が開いた。
「ナニ?」
「さっきはありがとな。流石、俺の息子。
「そんなの嫌だよ、女子なんて連れてけないよ」
「もうお兄ちゃんだから、小さい子の面倒くらいみなくちゃな」
「兄貴でもないのに何でだよ」
「兄貴じゃなくても恵理ちゃんよか、お兄ちゃんだよな。取り敢えずコーチには頼んでおいた。水筒も二つ用意してあるからな」
「昼はどうすんのよ?」
「それも弁当屋に恵梨ちゃんの分も注文して貰う段取りだ。夕方まで家に女の子一人、置いてけ堀はないだろう?」
「んー、
「じゃあ行くとき帽子
ひと通り言い渡して
「ミャ(ハッ!
僕は
「オレまだ洗ってる途中じゃん! 風呂のガスは止めないでよね!」
__カキュカキュカキュカキュ……
何してるかって? 風呂場の扉を叩いてるのよ。
さっきこっそりゴハンを食べに行ったんだけどね。 まだお腹一杯になってないの。
欠片が付いてないようキッチリ顔を洗ったし、器も綺麗に舐めて証拠隠滅したっ。
フッフッフ……これで絶対盗み食いしたのはバレない。
更なるカリカリの追加を待つのみなのだ。
「ゥワウ〜ン?(どうよオレ、完璧じゃない〜?)」
敵が情報を洩らさないとは言い切れない。 見張っていないと不安。 ちょくちょく触られそうになるのは嫌なんだけど致し方あるまい。
「こ……こうすけさん……」
「(わわわ、バラしちゃダメ!)カプッ」
僕は焦ってしまって女の子のくるぶしにカブりついてしまった。
「キャッ」
「どうしたの!」
気付いて風呂の中から
ど、ど、どうしよう、全部バレて僕はもうお終いだァァァ。
「何でもない。ドラちゃんとぶつかっただけ」
「ア〜ン(噛みついたこと許して欲しいのだ)」
そうお願いすると、女の子がしゃがんで僕の頭を撫でた。
その膝っ小僧からミルクみたいな甘いニオイがして、思わず僕は耳と鼻先を
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