第4話 異性の良い友だと!(欲しかった‥)
お前は、雨の日にバイクに乗るか?」
「あまり乗らないわね」
「なぜ?バイクが好きなら毎日乗るはずだろ」
「それは‥」
「当ててやろう。水に濡れるのが嫌なんだろ。だから気分なんだよ。どんな状況でも愛してこそ本物だよ」
我ながら、口からのでまかせだらけ、だけど良い感じに話のまとめに入れそうだ。
「じゃあ、あなたは、どんな状況でもバイクを愛して行けると言えるのね」
「そうだ。この目を見てみろ」
今までしたことのないような凜として「キリッ」とした目をした。
「あなたのバイク愛は、分かったわ」
やったー。北極姫をなんだかんだで口で負かせたぞ。これは、明日にでも学校中で話題の的になるかもな。
「それで、そんな、あなたは、どんなバイクに乗っているの?」
「ア‥‥」
一番大事な部分を考えてなかった。俺の脳みそは再びフル回転してこの場を誤魔化すことを考えた。
「俺のバイクは、これから買うんだよ!」
「これからなの?」
「そうだよ!悪いか!これからカッコイイバイクを買うんだよ!今必死にバイトしている理由もそれだよ!」
本当は、将来を見据えて貯金をしようとしていた。
「じゃあ、私が良いバイクショップ紹介してあげるわ」
「いや、あの‥」
「遠慮しないで。あなたのバイク愛を確かに感じたわ。だから、この私が協力してあげる」
「え‥」
「バイク持ってないのは、大学生になってすぐだから仕方ないわよ。だから、バイク上級者の私がしっかりサポートしてあげるわ」
北極姫は、こんな良い奴だったか?もっと、サディスティックなことを言って周りを凍り付かせるから北極姫なんじゃないのか?これじゃ春のように暖かい春姫なんじゃないのか?めっちゃ優しいじゃんこいつ。
「知ってる?私本当は優しいのよ。自分の気に入らない人には、厳しいところがあるけど本当は、優しいのよ」
「いや、知らないです」
「さぁ、私の手を取って!素敵なバイクライフを一緒に楽しみましょう!」
もうだめだ。引き下がれない。勢いに負けて俺は手を取った。女の子の手を握るのは、いつぶりだろうか?いつも自分の一物しか握ってないからな。握った時にちょっと罪悪感がある。
こうして俺の変なバイク生活が始まった。ついでに変な異性の友達ができた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます