生徒会長

バブみ道日丿宮組

お題:昼のセリフ 制限時間:15分

生徒会長

「絶対昼ご飯一緒に食べるんだから!」

 登下校時に彼女はそんなことをいってた。

 生徒会長である彼女は、毎朝7時に学校に行く。

 雨であろうと、曇であろうと、もちろん晴れでも彼女はその日程を変えない。

 そして生徒会長の役目だからと、門のすぐ隣で生徒に挨拶を続けてる。いわゆる挨拶週間のようなことを生徒会長になってから続けてた。

 僕は付き合わないでいいからといいながら、通学は半分強制である。

 おかげ早寝早起きが身についてしまった。それ自体は悪くないことだが、彼女が何時に起きてるのかがすごく気になる。陽が昇らないうちから朝支度をして、着替えたり、整えたりしてるのだろうか。

「……」

 男である僕は、数分もかからない。

 着替えて、顔を洗って、朝ごはんを食べて、そして歯を磨く。

 たったそれだけだ。

「ーーであるからして」

 授業中に違うことを考えるのは、いけないことと彼女は怒るかもしれない。生徒の模範となるべく彼女であれば、手を上げて質問をするかもしれない。

 思考が他に割かれてしまうのは仕方のないことだ。

 昼ご飯で誘惑されたし。期待しないわけがない。

 通学時彼女は弁当袋が入ってそうな肩バッグを下げてた。もしかしたら体操着かもしれない……。彼女は隣のクラスでさすがに時間割は知らない。

 席が窓側であれば、校庭で体育をしてるだろう団体を見ることができただろう。無論そこから彼女だけを見つけるのは大変なことだけど。

「……」 

 昼休みまであと5分。

 授業の進行は変わらず進む。内容は教科書どおりのことをただ黒板に書いて、ただ口にだしてるだけなのでひどく退屈なものだ。もう少し生徒にわかりやすくする努力だとか、寝てるやつを起こしたりとかすればいいのに。

 まぁ……僕には関係のないことだ。

「はぁ……」

 あくびがもれた。

 後少しで終わるというのに、なかなか時間が進まない。

 活力となるのは、彼女のお弁当(?)という幻想。

「今日はここまでにします」

 1分前に教師はそういうと、廊下に出てった。

 自由だな。まだチャイム鳴ってないのに。

 いや……きりがいいところではあるけど、鳴るまで続けないのか。

「おまたせ!」

 チャイムが鳴り終わる前に、彼女が嬉しそうな顔をしながら教室に入ってきた。

「さぁ行きましょ」

 そうして僕は生徒会室に連れられて、お弁当を堪能するのであった。


 模範的とはいったい?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

生徒会長 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る