やまゆり

花瓶に一輪のやまゆり

かつて 日輪に咲き誇り

身勝手に失敬した私に

いま 語るような 白 赤 黄


愛でることをためらう

出ずる心はおのれの無学

芽吹きのことわりを断ち切り

目の前には後悔の生首


花瓶に一輪のやまゆり

花粉が一面にこびり付き

壁は余すところなくくれない

かつての命の残り火


風に揺れる花びら 白 赤 黄

風を受けてはためく 白 赤 黒

かつての学びが滅ぶ 黒 赤 黄

はたして学んでいたか 白 に 赤


花瓶に一輪のやまゆり

かつて 日輪の出ずるくにの

頑なな 因業に触れて

枯れ果てた やまゆりの園


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詩集 山脈原器 小林素顔 @sugakobaxxoo

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