昊誓・理央 15歳
この年頃から一緒に縁祭りに行くのはどうなのかと思い始めた。
「昊誓、もう勉強飽きた。早く縁祭り行こ。またはチョコバナナを20本買ってきてくれたら真面目に勉強するから。一旦休憩しよう。」「あまえそもそも休憩する程の勉強してないだろ」
俺たちはこの年は受験勉強の真っ只中。理央の頭は学校で下から数えた方が早いどころかいつもワーストワンを余裕で取るくらいしか勉強できないのに勉強をやりたがらない。スポーツで私立の高校に行こうとしても理央が『一人寂しいー』とか嘆いていきたがらない所為で確約を取りにいかない。こいつの親に何度こいつの進学先を相談されたことだか分からない。
理央が教科書をバックの奥底にしまってからバックを自分の座っているクッションの下に入れるという強硬手段に折れてしまって縁祭りにやって来た。
「昊誓、今年は去年の13本と言う記録を超えるぞー」「いや、13本でやめとけ。去年お腹一杯になりすぎたとから縁祭りが終わったら直ぐに眠ったろ。今年は勉強するんだよ。」「はーい」
いつも通り豪華な花火が上がり始めた時、神社の縁側で理央は俺の膝を枕にして苦し気に呻きながら寝転がって花火を見ていた。なんてことのないチョコバナナの食べ過ぎ。俺がトイレに行っている数分の間に10本、その後何でも無いような顔をして13本のチョコバナナを食べていたらしい。
「理央って本当にあほだな」「うるさいな。私があほなんじゃなくてチョコバナナの美味しさが分からない昊誓があほなんだよ!」ギャアギャア言い合いながら見た花火は普段よりも色ずいて見えた。
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