理央・昊誓 14歳

去年から昊誓が何を思ったのかパルクールという何かを始めた。私にはなんか凄いなーみたいな感想しか出てこなかった。昊誓は秘密にしてるつもりみたいだから本人にも聞けないし身近にそういうことに詳しい人もいないから本当によく分からない。


この年は私が昊誓の練習を終わるのを待ってから行く縁祭りになった。だから待つ時間を使って着物を久しぶりに着た。今考えるとこの時から昊誓に特別な感情を持ってたんだろうな。

この時はこんなこの時の私じゃあ理解できない感情よりも昊誓が熱心に何かに取り組んでるのに夢中になってた。昊誓のお母さんも昊誓が熱心にやってるのを見て、服が汚れて帰ってくることに関する小言を我慢していたらしい。

「待った?汗落としてくるから、もう少し待ってて」汗がにじんでる昊誓がクーラーの効いた昊誓の部屋でのんびりしてた私に声をかける。「どうせ外に出て汗掻くからわざわざ流さなくていいでしょ。そんなことより早く行こ。」…今ならもう少しこういうことに気にするから大丈夫。

「理央がそれでいいならいいけど…お前それでいいの?。」「はぁ?どうでもいいこと言ってないでさっさと縁祭りに行こ。今年はチョコバナナを10本食べるんだから。」


いつもの神社までの道を二人で並んで歩いて行く。この年の縁祭りは常に昊誓が無理をして明るくしていた気がした。

「よし、今年のチョコバナナの屋台の位置を確認しに行くぞー」こんな感じで無理をし続けていた。

花火がなり始めて私たちはいつも通り神社の縁側に腰をかけていた。「『ドン』ん『ドン』理してんの?」私の声は多分花火の音に紛れて聞こえてないと思う。そして今はこの時の私言ったことが聞こえてない事を望んでいる。

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