第7話 魔刀・夜切般若
家へと帰宅した俺はすぐに出かける準備をして、集会所にハンター登録するために向かった。
集会所とは、ハンターたちがダンジョンに潜るためのハンターライセンスを貰う所だ。ハンターは全員登録しなければ行けなく、登録をしないでダンジョンに向かった奴は罰としてハンター登録を二年間出来なくなる。
ハンター登録する為には十五歳以上でなければいけない。過去に戻ったので、ハンターライセンスが無くなりFランクからやり直しすることになった。
集会所に着いた俺は中に入り、受付にいる女性に声をかけた。
「すいません、ハンター登録しに来たんですけど、お願いできますか?」
「はい!身分証などはお持ちでしょうか?」
「これで大丈夫でしょうか?」
「はい!大丈夫です!確認しましたのであちらの椅子にお座りになって少々お待ち下さい!」
どうやら、声をかけた女性は元気のある人だったようで、黒髪のボブの中々の美少女だ。
俺は黒髪の女性に言われた通りに椅子に座っていると十分程で名前を呼ばれた。
「時崎さん!こちらがハンターライセンスになります!そして、私は時崎さんの担当になります
ハンターの説明は前にハンター登録した時に聞いているから大丈夫だな。
「いえ、大丈夫です。ありがとうございました」
俺はお礼を言って、集会所をあとにした。
次に俺が向かうのは武器屋だ。何故なら今俺の手元には短剣の一つもないのだ。ただし、俺は今日ハンター登録したばかりで、お金が全然ないから安いものしか買えないだろう。
武器屋に着くと様々な剣や盾などが立てかけており、レジには筋肉ムキムキの厳つい顔した男性が座っていた。
「すいません、武器を買いに来たんですけど見て回っていいですか?」
「お前、獲物は」
「えっ?」
「だから、獲物は」
「えっと、剣です。正確には刀です」
「そうか、なら予算は」
「えっと、二万円です」
男性に問いかけられそう答えると男性は立ち上がり倉庫に行くと箱に入れられている一つの刀を取り出し投げた。
「ならこの刀を使え」
投げられた刀を見ると黒い鞘に入っており、鞘から剣を抜こうとすると何かに引っかかったように抜けなかった。
「あの!この刀抜けないんですが」
「魔力を通して抜いてみろ」
「えっと、はい。分かりました」
刀に魔力を通すと、刀が鞘から抜けた。
その刀の刀身は錆付いていて切れ味が少ししか無さそうな刀だった。
しかし俺はこの刀がそんじょそこらの魔剣などよりもとてつもなく強いと言うことが感覚的に分かった。
「あの!これはいったい」
「ああ、それは魔刀だ。その刀を売ってやる」
「ええ!?ですがこれはとても高価なのでは?」
「いや、違う。値段は二万円だ」
「……ええ!!そんなに安いんですか!?」
「ああ」
「あの、どうしてそこまで安いんですか?魔刀なんですよね」
「ああ、それは簡単だ。その魔刀は全然切れないんだ」
「へっ?切れない?」
「そうだ、その刀は魔力を通せば鞘から抜けるがそれ以外はそんじょそこらなまくらの刀と比べても全然変わらない」
ええー、全然切れないのかな?感覚的にこの魔刀は買った方がいいとかんじるんだが。
いやまあ、ここは俺の勘を信じるとするか。
「その刀を買わせて下さい!」
「おう、割引で一万でいいぞ」
「はい!ありがとうございます!……あのぅ、最後にあなたの名前は」
「ああ、自己紹介がまだだったか。俺の名前は
「俺の名前は時崎空です!岩山さん!よろしくお願いします!」
「おう」
俺は岩山さんから魔刀を一万で買い家に帰った。
家に帰ると真白が迎えてくれていた。
「お兄ちゃんおかえりなさい。それは刀?」
真白はどうやら包みに入っているのが、刀だと気付いたようだ。
「ああ、一万で安く買えたんだ」
「へえ、そうなんだ。ダンジョンに行くなら気をつけてね」
「ああ」
俺はそう言い、二階の自室に向かい、魔刀の鑑定をすることにした。
(鑑定!)
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魔刀・夜切般若(隠蔽中)
所有者:時崎空 魔力:0/∞
〈固有スキル〉(隠蔽中)
【吸血】【吸魔】【変形】【不壊】【認証】
【隠蔽】
〈スキル〉(隠蔽中)
【身体能力レベル1】
〈特性〉(隠蔽中)
魔力を吸収すればするほど黒くなる
――――――――――――――――――――――――――
吸血:対象の血液を吸い取ると切れ味が上がる
吸魔:対象の魔力を吸い取り貯めることができる
変形:違う武器へと形を変えることができる
不壊:絶対に壊れなくなる
認証:持ち主を選び、他の人は使えなくなる
隠蔽:対象を隠蔽することができる
――――――――――――――――――――――――――
ええ!?滅茶苦茶強いじゃん!だって固有スキル六つだよ!?そんなのもうチートじゃん!?ああもう!今日は夕飯食べたら寝よう!
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