第6話 模擬戦2
ふと、周りを見てみるとみんなが
それも、SランクハンターやAランクハンターの剣を使う殆どの人が飛斬のスキルを取っているからだ。
しかも、【飛斬】のスキルは普通は斬れないのだ。斬れる理由をあげるとするならばやっぱり【剣聖】のスキルのおかげだろう。
それにしてもこの空気どうしようか……。
俺がこの空気をどうしようかと考えていると、風間蛍が俺の方に向かってきた。
(ど、どうゆうことだ!?なんで、風間がこっちに向かって来てるんだ!?)
考え事をしているうちに、だんだん風間との距離が近くなり、俺の目の前で止まった。
(ほんとどうゆうことだ!?俺に何か用があるのか!?)
俺は意を決して声をかけることにした。
「あの、なにか用ですか?」
風間はジッと俺の目を見ながら、用を口にした。
「時崎と言ったか。私と模擬戦してくれないか?」
かけられた言葉に俺は
それもそうだろう、だって未来では【剣姫】と呼ばれている女の子に模擬戦をしようと言われたんだから。
それにしても模擬戦か、実際俺は模擬戦はしたいと思っていた。なぜなら、さっきの人ではあまりスキルの効果を試せなかったのだ。でも、風間ならスキルの確認に不足はないだろう。だが、一応相手のスキルを確認するか。
("鑑定"!)
心の中で呟くと、相手の正面に光るボードが出現した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
風間 蛍
〈スキル〉
【剣術レベル?】【身体強化レベル?】
【風魔法レベル?】
〈固有スキル〉
【??】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ふむ、どうやら【鑑定】のレベルが低いとスキルしか見れないようだな。それにレベルと固有スキルは分からないか。
まあ、俺は未来を知っているから固有スキルは知っているんだがな。
でも、レベルが1でこれだけ分かるのはいいな。
よし、決めた!あまり待たせても仕方ない、模擬戦受けるか。
「……わかった、模擬戦やろうか。でも、先生の許可は良いのか?」
そう返事をすると、ホッとしたような顔になった。
「ああ、よろしく頼む。先生の許可は時崎さんの試合が終わった瞬間にもらったから大丈夫だ」
「そうか、よろしく」
風間の準備の良さに苦笑いしながら、水原先生の方に確認すると、頷き声を上げた。
「分かったわ、これから時崎君と風間さんの模擬戦をはしめるわよ、準備は良い?」
俺と風間はステージに登り、刀を構えた。
俺は刀を正眼に構えて集中力を高めた。風間の方も正眼の構え集中力を高めると、二人同時に返事をした。
「大丈夫です」「はい」
「それでは、試合開始!」
試合開始の瞬間に俺と風間は同じタイミングで動き出して距離を詰めた。
「ふっ!」
「しっ!」
刀が同時にぶつかり合い火花が散り、耳障りな音を立てると、風間が後ろへ下がり、俺も後ろに下がって距離を置き、意識を集中させた。
今の一太刀で分かったが風間は相当な実力者だ。
何故なら十五歳で俺の剣――剣聖の剣――を受け流すことができるのだ。
「はっ!」
一瞬で距離を詰め、刀を振るうとまた受け流された。
どうやら、身体能力では勝てないとさっきの一太刀で分かったようだ。
俺は続けざまに刀を振るった。凄まじい剣戟を放ち続けると、風間には切り傷が増えていくと後ろに跳び距離を取ると呼吸を整えた。
「ふう、時崎さん思ったより強いですね。強いとは思っていたけどここまでとは、私も本気を出さないとね」
次の瞬間、風間がその場で刀を上段に構え振り下ろすと暴風の刃が吹き荒れた。
ええ!?あれはやばくない!?あれは当たったら絶対死ぬって!?えっ!?水原先生、止めてくれないの!?
水原先生の方を向いて見るとこちらを見てあろう事か楽しそうに笑っているのだ。
笑い事じゃないって!これはマジでやばいって!
はあー!助けて貰えないなら自分で何とかしないと!そう考えたその瞬間頭に誰かの記憶が流れた。
その記憶を見た瞬間俺は先代の剣聖だと言うことが感覚的に分かった。
俺は剣聖の技を放つ為に身体強化のスキルを発動して身体能力を極限まで高める。目を閉じ意識を集中させ、呼吸を安定させると魔力を高めて刀に流し上段に構える。
「剣聖技――
刀を振り下ろすと凄まじい衝撃が辺りに伝わり暴風の刃が左右に割れ霧散した。
そのまま、距離を詰め首に刃先を向けると、風間が手を上げ、降参の言葉を口にした。
「はは、降参だ。まさかここまでとは」
風間が笑いながら言うが、もう少しで死ぬ所だったと思うと文句を言いたいところだ。
「凄いわね時崎君、あの技を切っちゃうなんて」
水原先生がそんなこと言いながら向かってきた。
「いや!水原先生!助けて下さいよ!あれっ!絶対そのまま喰らったら死んじゃいましたよ!」
「いや、当たる直前で止めるつもりだったわよ。なのにあなたが魔力を高めるから何とかできるかと思ってね」
「はあー、今度からはちゃんと助けてくださいね」
「善処するわ。今日はこれで授業終了よ。各自帰っていいわよ」
ステージを降りて帰る準備をしようと周りを見てみると皆が驚いた顔をしていた。
はあー、当然か。二日目から早速目立っちゃったなー。来週から憂鬱だ。
目立ったことに肩を落としながら、これからの予定を考えながら家へと帰宅した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます