第五話 蜜月


 「はー、今日は楽しかったぁ!」

 「あんずちゃん、いろいろ買ってたもん

  ね」

 「ほとんどスウィーツだけどな」


 俺は日○自動車の模型とボ○ロのCDを買った。

 冬美も右手に何個か袋を提げている。


 「冬美は何を買ったんだ?」

 「私? 私はね……」


 唇に手を当て、考えるそぶりを見せた後、


 「ひ、み、つ☆」


 あぁぁぁ、なんだそれ!かわいすぎるだろ!まじ天使。


 「お兄ちゃん、また鉄くさいの買った

  の?」

 「あぁ、まぁ」

 「作りかけ、きちんと机の上に置いといて

  よね! 部屋掃除するの、大変なんだか

  ら」

 「りょーかい」


 きちんと上に置いとかないとな。捨てられるかもしれないし。この前ベッドから降りたとき、うっかり踏んじゃって粉々にしちゃったし。

 あれは痛かったな~。ショックだったな~。


 「じゃあ私、荷物置いてくるから」

 「そうか。 俺もそうしよっかな」

 「あたしも」


****************************************


 食事を終え、しばらくくつろいだ後、あんずと俺は自分の部屋、冬美は俺の部屋でそれぞれ睡眠をとる。

 かなりの回数、冬美と一つのベッドを共有するということをしているのだが、未だに慣れない。

 これ、冬美の両親に知られたら、とんでもないことになるのだろうが、ばれなきゃ犯罪じゃない。


 「綾人くん、今日は楽しかったねっ!」

 「あぁ、そうだな」

 「それにしてもやっぱり綾人くんの部屋は

  モデルガン多いね」

 「冬美の部屋はぬいぐるみばっかだけど

  な。 今何個くらい?」

 「あはは。 え~と……100個くらい?」

 「ひ、ひゃっこ!?」


 おいおい、どんだけあるんだよ。置く場所あるの?


 「や、やっぱり多いかな?」

 「もしかしてだけど、今日買ったものっ

  て」


 俺の聞きたいことが分かったらしく、コクンと、はずがしそうに首を縦に振った。

 う~ん、聞かない方がよかったかな。


 「と、とりあえず、ベッドに入ろ?」

 「あ、うん」


 冬美と一緒に入ったとき、おなかに手を回してきた。


 「ふ、冬美?」

 「綾人くん、恋の先○のコメント欄で、私

  が相談してないかどうか、確認したでし

  ょう」

 「え? なんでわかるの?」

 「それは分かるよ。 だって私は綾人くん

  の彼女だもん」


 それは理由にならないんじゃ。そう思ったけど、言葉に出さないようにした。なんとなくそうしたようないいような気がしたから。

 そんなことを考えていると、冬美が俺を抱き寄せた。


 「!」

 「綾人くん……」


 やばい温かい柔らかいいい匂い理性とびそう。

 俺の思考は一気にレッドゾーンに入る。


 「今のままで満足。 だから……」


 だからの続きはなかった。軽やかな呼吸から冬美が寝たことを物語っている。

 冬美の心臓の音が感じられる程の密着状態。


 「これ、絶対に寝られないやつだ」

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