第五話 蜜月
「はー、今日は楽しかったぁ!」
「あんずちゃん、いろいろ買ってたもん
ね」
「ほとんどスウィーツだけどな」
俺は日○自動車の模型とボ○ロのCDを買った。
冬美も右手に何個か袋を提げている。
「冬美は何を買ったんだ?」
「私? 私はね……」
唇に手を当て、考えるそぶりを見せた後、
「ひ、み、つ☆」
あぁぁぁ、なんだそれ!かわいすぎるだろ!まじ天使。
「お兄ちゃん、また鉄くさいの買った
の?」
「あぁ、まぁ」
「作りかけ、きちんと机の上に置いといて
よね! 部屋掃除するの、大変なんだか
ら」
「りょーかい」
きちんと上に置いとかないとな。捨てられるかもしれないし。この前ベッドから降りたとき、うっかり踏んじゃって粉々にしちゃったし。
あれは痛かったな~。ショックだったな~。
「じゃあ私、荷物置いてくるから」
「そうか。 俺もそうしよっかな」
「あたしも」
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食事を終え、しばらくくつろいだ後、あんずと俺は自分の部屋、冬美は俺の部屋でそれぞれ睡眠をとる。
かなりの回数、冬美と一つのベッドを共有するということをしているのだが、未だに慣れない。
これ、冬美の両親に知られたら、とんでもないことになるのだろうが、ばれなきゃ犯罪じゃない。
「綾人くん、今日は楽しかったねっ!」
「あぁ、そうだな」
「それにしてもやっぱり綾人くんの部屋は
モデルガン多いね」
「冬美の部屋はぬいぐるみばっかだけど
な。 今何個くらい?」
「あはは。 え~と……100個くらい?」
「ひ、ひゃっこ!?」
おいおい、どんだけあるんだよ。置く場所あるの?
「や、やっぱり多いかな?」
「もしかしてだけど、今日買ったものっ
て」
俺の聞きたいことが分かったらしく、コクンと、はずがしそうに首を縦に振った。
う~ん、聞かない方がよかったかな。
「と、とりあえず、ベッドに入ろ?」
「あ、うん」
冬美と一緒に入ったとき、おなかに手を回してきた。
「ふ、冬美?」
「綾人くん、恋の先○のコメント欄で、私
が相談してないかどうか、確認したでし
ょう」
「え? なんでわかるの?」
「それは分かるよ。 だって私は綾人くん
の彼女だもん」
それは理由にならないんじゃ。そう思ったけど、言葉に出さないようにした。なんとなくそうしたようないいような気がしたから。
そんなことを考えていると、冬美が俺を抱き寄せた。
「!」
「綾人くん……」
やばい温かい柔らかいいい匂い理性とびそう。
俺の思考は一気にレッドゾーンに入る。
「今のままで満足。 だから……」
だからの続きはなかった。軽やかな呼吸から冬美が寝たことを物語っている。
冬美の心臓の音が感じられる程の密着状態。
「これ、絶対に寝られないやつだ」
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