女子会その2
ちょっとだけ体調不良の為(先日のは完治してます。ぶっちゃけただの寝不足です)、おまけ更新になります。
いつかの女子会の続きになります。
---------------------------
女子会の会話内容はここにいないが一番の当事者こと皆城悠真への悪口……ではなく、好きなところを言い合うという本人が後で聞けばその場にいないことを後悔すること必至な展開になっていた。
「私はウェンディさんが気になるかな。一番最初に関係を持った人物だしね」
未菜からパスを投げられたウェンディは少し考え込むようにして、顎に指を当てる。
「そうですね。私は……しっかりと内面を見てくれるところでしょうか」
「ほう、内面?」
「もちろん他にもたくさんあるのですが……」
ウェンディは顔を少し赤くして俯く。
思った以上にピュアな理由に一同がちょっと黙っちゃう中、その静寂をスノウが破った。
「そ、そうよ。シトリー姉さんは?」
「お姉ちゃんは悠真ちゃんのかわいいところが好きかな~」
少しも照れる様子なく言い切る。
流石は長女と言うべきなのか、そちら方面に天然なのかは誰にもわからない。
「逆に嫌いなところとかはないわけ?」
「ないかなあ。強いて言うなら、雷魔法をあんまり覚えてくれないことくらい?」
「そういう貴女こそどうなんだい? スノウさん」
香苗がずばり聞く。
「……
「そう」
「………………やっぱりスケベなところかしら」
「随分長考したね」
「うるさいね香苗。そういうあんたこそどうなのよ」
「僕は嫌いなところが見えるほど彼のこと知っているわけではないからなあ」
「あんたが知佳の先輩だってことを今実感したわ。知佳はどうなのよ。悠真の嫌いなところ、1つや2つはあるんじゃない?」
話を振られた知佳は考える素振りも見せないで即答する。
「鈍感なところ」
「あー……」
全員がさもありなん、という表情を浮かべた。
悠真の鈍感さは誰もが知るところだ。
最もその被害に遭っているのは間違いなく知佳なのだが。
もちろんそれも全員がわかっている。
「でもお兄さま、外見の変化にはすぐ気付いてくださいますよね」
「そういうところだけは鋭い」
フレアの言葉に同調する。
「確かに悠真くん、意外と観察眼はあるんですよね……ただひたすらに気持ちの面では鈍感だけど」
「のくせして手を出すのは速いのよねえ」
「あー……」
スノウがぐさりと刺し、それにも全員が同意する。
ここだけ聞いているとかなり最低の男である、皆城悠真。
最低なことには変わりないのだが。
そこで知佳がぼそりと呟いた。
「悪口の方が盛り上がったりして」
「お兄さまに悪いところなんてあります?」
「あるわよいっぱい。ねえ未菜?」
「……ここで私に振るのかいい?」
うーむ、と少し困ったように首を傾げる未菜。
悪いところ。
まあ、あるにはあるなあ。
という感じの反応である。
「謙遜が過ぎるところ……かな」
「……無難なとこついたわね」
「トップバッターの役目としてはこんなものだろう?」
「お兄さまはその謙虚さが良いところですのに……」
どうやら本当に悪いところが出てこなさそうなフレアはスルーして、今度は綾乃にロックオンするスノウ。
「綾乃は?」
「えっ!? ど、どうでしょう……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます