第49話 えっ!?いや、ちょっと!?
(んー・・・、どうしよう・・・。)
ドールさんから武器の手ほどきを提案され迷う。
多分“元”とはいえA級冒険者から直々に教えて貰えるのはありがたい事なのだろう・・・だが、
『何故そこまでしてくれるんですか?』
そこが気になる。すると、
『なに、今の俺は“元”冒険者だからな。日頃は冒険者時代に培った知識と経験を後進へ教えるのが仕事だ。個人的にも、これで死ぬ奴が減るならと引き受けたのが始まりだしな・・・。それに・・・』
そう言いながら俺の目を見据え、
『こういう面白い拾いもんがあったりするからな!』
ニカッと笑いながらそんな事をのたまう。
実際問題、使用武器の拡充は必須だったので、丁度良いかと思い了承の意を示しつつ、ドールさんを鑑定してみる。
『分りました。おねが・・・』
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個体名:ドール
種族:人族
性別:男
年齢:47歳
職業:冒険者、ギルド実技教官
称号:魔物から忌避される者、ダンジョン踏破者、鬼軍曹
状態:正常
取得スキル:腕力強化、脚力強化
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・・・ん?なんかあるぞ?・・・
『そうか!やってみるか!』
『えっ!?いや、ちょっと!?』
次第に先程のにこやかな笑顔は薄れ、今は何故か鬼の様な形相になり突然、
『ウ○虫ども整列!』
大きな声で叫んだかと思うと、訓練場で先に練習していた冒険者らしき人達がこちらへ集まり出し、あっという間に整列した。
突然の事に唖然としていると、
『今日からお前たちク○虫どもと同じく学ぶ事になった新○ソ虫だ!』
『『『サー、イエッサー!』』』
『新ク○虫の為に、ここでの決まりを教えてやる!
私が教官のドールである。話し掛けられた時以外口を開くな!
口でク○たれる前と後に“サー”と言え!
分かったか○ジ虫ども!』
『『『サー、イエッサー!』』』
(鑑定で見えたのは見間違いじゃ無かった・・・まさかここでハー○マン軍曹に出会うとは・・・先に鑑定で確認しとくんだった・・・。)
『新ク○虫!返事はどうしたっ!』
『サ、サー、イエッサー!』
『声が小さいっ!タ○落としたかっ!』
『サー!イエッサー!』
『貴様らが俺の訓練に生き残れたら、各人が冒険者となる。
その日まではウ○虫だ!この世界で一番下等な生き物だ!
貴様らは人では無い!ク○をかき集めた価値しか無い!
貴様らは厳しい俺を憎むだろう。だが憎めばそれだけ学ぶ。
俺は厳しいが公平だ!差別は許さん!
子豚も雌豚もク○豚もエル豚もドワ豚も俺は見下さん。全て平等に価値が無い!
俺の使命は役立たずを育て、冒険者にする事だ!
分かったかウ○虫ども!』
『『『サー、イエッサー!』』』
・・・こうしてハート○ン軍曹・・・もといドール教官から、冒険者として指導を受ける事になったのだった・・・。
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