19話 最強剣・【ソード・オクロック】


「力が溢れてくる…それにさっきよりも体が軽い…」


俺は新しくなったステータスを見てそう呟いた。


「な、なんで…なんで…」


一方のラプチェは俺のステータスを視て絶句しているようだった。


俺はこれをチャンスと捉える。腰に剣を構えると【瞬間移動】でラプチェの目の前に移動し、そのまま剣を引き抜くように振る。


「─っ!?…っく…」


だが、直前に気付かれ、槍で弾かれてしまう。しかし…


「なっ!?」


先程とは違い、俺は連続で連撃を放つ。体が軽くなり、今までの攻撃とは一味違う攻撃をできるようになったのだった。


「“カオス・バースト・レクイエム・マーダー”!」


俺は同時に二つの技を展開する。【カオス・バースト・レクイエム】と【弑逆謀殺レジサイド・マーダー】が融合し、とてつもない破壊力をラプチェに叩き込む。


「ガッ…、く…」


ラプチェは槍で俺の剣撃を弾こうとするが、俺の剣撃が槍を逆に弾き、そしてラプチェにすべて当たる。


相当HPは削ったはずだが…俺はラプチェのステータスを視た。


ラプチェ・オーディン Lv1 種族:創造神

HP:285786554508580058006/ 565786554508580058006

MP:1/1

STR:565786554508580058006

VIT:565786554508580058006

AGI:565786554508580058006

DEX:565786554508580058006

INT:565786554508580058006

MND:565786554508580058006

LUK:565786554508580058006

属性:天使の祝福

スキル:理歪曲プロビデンス・ディストーション 理破壊プロビデンス・ブレイカー 理創造プロビデンス・クリエイター 天使の祝福 創造神 神眼 無限循環 槍術 転移 気配感知 気配遮断 危険感知 高速HP自動回復 高速MP自動回復 アイテム・ボックス 全属性無効 状態異常無効 言語理解


やはり、というべきか、【高速HP自動回復】のせいでラプチェのステータスは回復しつつあった。


「どうだ…?人間(仮)に圧倒されるのは。」


それでも俺は煽った。すると、苦虫を噛み潰したような表情になり─


「っ!“シャイニング・バースト・ランス”!」


ラプチェはそう叫び槍を薙ぎ払う。その瞬間ものすごい衝撃波が襲ってきた。


「くっ………はぁ!」


しかし、俺はその衝撃を【|回避剣(アボイド・ソード)】で受け流す。


それと同時に俺は【瞬間移動】で距離を取った。一時撤退である。


「ふぅ〜、危ねぇ、危ねぇ…」


しかし、どうすればいいだろう…どれだけ俺が強くなろうと、ラプチェのHPが減ることはない。すぐ回復してしまう。


その時だった。ラプチェの動きが突然止まり、時間が止まったかと思うと、突如、聞こえるはずのない声が響き渡った。


『─あ、あー。聞こえてるか?』


「っ!?雪奈!?」


『よう、勇気。安心してくれ、時間は僕が止めた。ようやく記憶を取り戻したみたいだな。そして勝てなくて困ってんだろ?』


図星だった。雪奈はそういってやれやれ、という風に笑うと俺に言ってきた。


『勇気、そこのに勝つには、【ソード・オクロック】の覚醒が必要だ。お前の持ってるを【ソード・オクロック】と融合させろ!』


雪奈に言われ、俺は【ソード・オクロック】を前に掲げ、そして【アイテム・ボックス】から【リベリオン・ヴァルキュリア】を取り出し─


「“融合”!」


【ソード・オクロック】に【リベリオン・ヴァルキュリア】を吸収させる。その瞬間、


『【ソード・オクロック】の属性、【絆】が開放されました。』


という声が頭の中に響き、【ソード・オクロック】が突然光だし、姿を変えた。


「ん〜、やっと擬人化出来た〜。あ、主!」


目の前に長い青髪をロングにした美少女が現れる。


俺は目の前の少女のステータスを視る。


ソード・オクロック Lv???種族:剣霊

HP:479001600/479001600

MP:39916800/39916800

STR:36288000

VIT:36288000

AGI:40320000

DEX:50400000

INT:72000000

MND:12000000

LUK:240

属性:絆・不滅

スキル:時空剣ソード・オクロック 絆 不滅 神眼 強固契約 言語理解


「ソード・オクロック…なんだな…」


「そうだよ、主。あ、私の事は『クロ』って呼んでね。」


俺は頷きながら、スキルを鑑定した。


時空剣ソード・オクロック レアリティ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

剣技を登録することができる。登録限界数:∞


絆 レアリティ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

契約者との絆が深まると擬人化することができる。

絆が深ければ深いほど、この剣は軽くなり、攻撃力も上がる。


不滅 レアリティ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

決して死ぬ、または壊れることがない。


強固契約 レアリティ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

主人との主従契約がより強固なものになり、決してこの契約が上書きされることはない。また、解除することも不可能。主人との絆が深ければ深いほど契約の力は強くなる。


「雪奈!…ありがとな。」


俺はそう叫んだ。しかし、雪奈から返事が来ることはなかった。


その代わり時間が動き出した。


「クロ、行くぞ!」


「分かった!」


クロはそう言うと、剣の姿に戻る。俺は剣を鑑定した。


ソード・オクロック レアリティ Error。

攻撃属性:絆。禁剣Lv??????Errer。

この世の武器の中で最高峰の攻撃力を持つ魔剣。また、この剣にオリジナルの連撃技を登録可能。ダークマターとオリハルコンで出来ているため絶対に折れる事がない。また、片手剣だけで戦うことも想定されているため、とても軽い。この剣だけで二刀流の速さ以上のスピードを出せる。


絆 レアリティ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

契約者との絆が深まると擬人化することができる。

絆が深ければ深いほど、この剣は軽くなり、攻撃力も上がる。


(強い!これなら…イケる!)


俺が地面を踏んで、【瞬間移動】を使い、ラプチェの目の前に姿を現すと、ラプチェは一瞬怯み、俺の目の前から消えた。


「っ!どうやったか知らないけど…いつの間に…」


「さぁ、こっからが本番だ!」


俺はそう言って、【ソード・オクロック】を─クロを横に薙ぎ払った。

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