12話 邪神の強大な力。

「ほらほら、どうしたの?99999年の力はその程度?」


「くっ…!」


ミズキからの攻撃を受けながらも俺は攻撃する。しかし、ミズキの大剣によってすべて受け流されていた。

これじゃ埒が明かないと思い【アイテム・ボックス】から、【リベリオン・ヴァルキュリア】を取り出し、左手に持つ。


「─“クロス・バースト”!」  


今度は俺が攻撃をする番だった。俺は単発の、だが破壊力がある技をミズキに放った。


「っ!─“ロスト・ブレイク”」


しかしミズキはそれを受け流し、追撃を放ってくる。俺はそれを【反逆神】で断ち切り、連撃を放つ。


「“弑逆謀殺レジサイド・マーダー”」


高速の5連撃。いくらミズキだって今のはかわせ─


「おっと、あっぶない。」


「なん、で…」


俺の連撃はすべてかわされていた。『かわされた』という事実に驚いてスキが出来ていたからだろう、俺はミズキの攻撃をまともに食らう。


「ぐっ…クソ…」


ミズキの攻撃を“腹”にまともに受けた俺は出血部分を抑えながらミズキを見る。

その表情はやはり、恍惚でそして…狂気じみていた。


「あれ?もうおしまい?…ねぇ、なんで私に勝てないか教えてあげようか?」


唐突にミズキはそう言ってきた。…なんで勝てないか?勝てないのに理由なんてあるのか?


「…なんだよ」


「ハルトが私に対してからだよ。」


「…は?」


手加減?そんなものはしてない。するはずがない。メフィアとエミリアの命がかかってるんだ。手加減なんてできるわけ─

 

「してるよ。」


だが、ミズキははっきりと言ってきた。


「してるよ。ハルトはね、私相手だから自分じゃ気づかないみたいだけど手加減してるの。その証拠に私にはそんなに強い技使ってないでしょう?」


「………!」


言われてはっとする。確かにミズキには強い技を放っていない。今までやり直してきた中でも俺は…手加減、してたのか?


「…そうなのか。だから俺は救えなかったんだな。だから何度もやり直したのか。」


「そうだよ。その手加減が命取りになったんだよ。だから今まで─「“カタストロフ・レクイエム・ソード”っ!」っ!?」


俺はミズキの話を遮り、ベクタからオマージュした技を放った。その技に融合した魔法は─


「くっ、…えっ!体が動かない!?」


俺の不意打ちで攻撃をまともに食らったミズキは俺の融合した【】で動けなくなっていた。


(ヤるなら今がチャンスだ!)


「今だ!─“カオス・バースト・レクイエム”!」


「しまっ─」


俺の30連撃が抵抗できないミズキを襲う。俺は剣を振るい、ミズキは的となる。


「…はぁ…はぁ…。どう、だ…?」


俺はミズキのステータスを視る。 


ミズキ・シノハラ Lv??? 種族:超越者

HP:191349967/9014867839

MP:224519958/224519958

STR:3194344015

VIT:2689283712

AGI:1670198970

DEX:3395347738

INT:3096750921

MND:1742501726

LUK:99999

属性:邪神

スキル:1死体使役コープス・メイク 邪神 超越者 神眼 大剣術 縮地 アイテム・ボックス 自動HP回復 自動MP回復 状態異常無効 全属性無効 言語理解


「なっ…!?」


ミズキのステータスは大きく減っている様子はなかった。今まで戦ってきた奴らとは比にならないほどミズキは強かった。


「…痛…。へぇ、ハルトにそこまでの勇気があったとは…でも、逆に言えば本気になってもなんだね。」


そう言って、ミズキはこちらに


「!?…なんで動け…うっ…!?」


突然、さっき受けた傷周りから急速な痛みと謎の痺れが俺を襲った。その痛みと痺れで俺は地面にひざまずいてしまう。…そしてこの光景に俺は嫌な既視感を覚える。これは…


(まずい!あの時と一緒だ!…でもなんでだ?体が痺れてまともに動かない…原因は攻撃をまともに食らったときだとして俺には【状態異常無効】があるから麻痺などは効かないはずだ。だけどなんで…)


そんな俺の疑問をミズキが心を見透かしたように言う。


「ふふ、なんで体が痺れたって思ったでしょ?それはね、私が斬りつけたときに、この剣に【崩壊魔法】を付与してそれでハルトの細胞を壊したから♪」 


「な、なら、なんで動ける!?俺の細胞を破壊したからって魔法が消えることはないだろ!?」


俺は若干ヒステリックになりながら叫ぶ。


「ふふ、それは、【崩壊魔法】で徐々に効くように設定して壊した細胞の中にがあったからだよ。まぁ、さすがにカオスなんちゃらをかわすのは無理だったけどね。今になって効果が出てきて良かったよ。」


「………………(ここまでなのか…?俺は何も救えないまま終わるのか…?)」


俺が心の中でそう思ったとき、俺を庇うように二つの影が立ちふさがった。その二つの影は…


「─ハルトは私達が守る!」


「お前にお兄様は殺させない!」

 

メフィアとエミリアだった。

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