10話 反撃開始。

─俺は弾丸を当てられ、暗転とした意識化の中にいた。


(雪奈…まだ、話していたかった。でも雪奈は『戻れ』と言った…。それはメフィアとエミリアが地上で戦っているからだろう。でも─) 


「まだ、一緒にいたかったよ…」


俺は自分の目から溢れる涙を拭い、意識が覚醒した所で目を開く。


「ッ!…ここは…」


辺りを見渡すとそこは、先程意識を失った場所のようだった。


「メフィア!エミリア!どこだ!」 


立ち上がり周囲を確認する。すると約2、3kmの所に人影が3つあった。そして─

翼らしき物を生やしたあの堕天使が2に魔法を放とうとしたいた。


「まずいっ!─“気配遮断”、“縮地”」 


俺は気配を消し、猛スピードで人影の元へ向かう。

近づいてきて、気付いた。倒れていた人影はやはり、メフィアとエミリアだった。


(…こんな早くに雪奈から教わった技を使うことになるとはな…)


あの堕天使が魔法を放つ。その刹那、俺はメフィア達の前へと躍り出る。


「─“幻想殺人鬼イマジン・キラー”ッ!」


その直後俺の『幻想殺人鬼イマジン・キラー』により、逆転させその代わりに堕天使がダメージを受ける。


「ガァハッ!?…どうし、て…何が起き、て…」 


堕天使は自分に魔法が跳ね返ってきて困惑しているようだった。


「よぅ、待たせたな。後は任せろ。」


俺はメフィア達の方へ少し、振り返って言う。


「な、なぜ、貴方は動けるの!?」 


そう言われ、俺は【ソード・オクロック】を堕天使に向け、そして言う。


「あ?そうだな…“親友の力”だ。─さて…俺のメフィアとエミリアを傷つけた罪は重いぞ?─さぁ、反撃開始だ。」


そして【神眼】を使ってステータスを覗く。


(ベクタ、か…。安息魂レクイエム・ソウル…やはりそういう能力か。…そして俺の予想が正しければ…)


そして俺は【ソード・オクロック】に登録してもらった技の詳細を再確認する。


「…大人しくしていてほしかったんだけどなぁ?どうやって目覚めたかは分からないけど、悪いけどもう一回寝てて?─“安息魂レクイエム・ソウル”」


ベクタは俺に向かって再度同じスキルを使ってくる。だが─ 


「─“能力破壊スキルブレイク”」 


俺は剣を縦に降る。 


パリンッ 


何が割れる音が響く。


「な!?…君?一体何したの?」


ベクタは驚愕の表情で訊いてくる。それに対し俺は、

「何した?だが?」


煽るように言った。


「…これだけはしたくなかったんだけどなぁ…君を瀕死─ッ!?」


俺はベクタの話を遮って【縮地】で接近し、攻撃する。


「どうした?避けるだけか?」


「チッ、あんまり私を舐めるとそこの子達みたいに痛い目見るよ。」


「へぇ、痛い“目”が見られるんだ。面白そうだな。」


俺は煽り続ける。ベクタは明らかにキレている。


(感情も制御できないとは…。痛い目見せる?上等だ。かかってこい。)


「ツ!“アブソリュート・ユーネイジア”!」


黒くおぞましい“モノ”が俺に向かって飛んでくる。

が、俺は【縮地】を使った横っ飛びで、避ける。


「“クロス・ギャラクシー”」 


俺の6連撃攻撃がベクタを襲う。


「ッ…“ノヴァ・フレア”」


今度は巨大な火炎玉のような“モノ”が現れる。…『メ○ゾーマ』みたいだな…


「“魔斬”」


しかし、それを俺は二刀流スキルで斬り、そのままベクタに、


「“カオス・バースト・レクイエム”ッ!」


30連撃を叩き込む。


「カ、ハッ…」


ベクタがうずくまった所でステータスを覗く。


ベクタ・ノーチェ Lv678 種族:堕天使

HP:324/3500000

MP:14200/120000

STR:360000

VIT:806000

AGI:470000

DEX:405000

INT:210000

MND:97000

LUK:200

属性:光・闇

スキル:安息魂レクイエム・ソウル 剣術 光属性Lv:MAX 闇属性Lv:MAX 限界突破


(ふむ。そろそろ終わりか?)


そんなことを思っているとベクタが立ち上がる。


「はぁ、はぁ…こんな手こずるとは思って、なかった…本、気を出す…!─“限界突破”ッ!」


その直後、ベクタの傷が急速に癒える。俺は異変を感じ、ステータスを視る。


ベクタ・ノーチェ Lv678 種族:堕天使

HP:7000000/7000000

MP:240000/240000

STR:720000

VIT:1612000

AGI:940000

DEX:810000

INT:420000

MND:194000

LUK:200

属性:光・闇

スキル:安息魂レクイエム・ソウル 剣術 光属性Lv:MAX 闇属性Lv:MAX 限界突破


(2倍になってる…?そうか、『限界突破』か…) 


俺は【限界突破】を鑑定する。


限界突破 レアリティ ☆☆☆☆☆

1時間自身のLUK以外のステータスを2倍する。

その時、受けていた傷などはすべて回復する。

# 


「死ねぇ!」


「くっ!?」


ベクタは魔法ではなく、どこからか取り出したのであろう剣で攻撃してくる。

なんとか、攻撃を防ぐがすぐに追撃が俺を襲う。


(う、嘘だろ!?ステータスが2倍になっただけでこんなにも強いのか!?)


そこで俺はようやく、クリスティーナが言っていた『返り討ち』という意味を理解した。

そんなことを考えているうちにも俺は攻撃を食らっている。


「はぁ!“ナイツ・クロニクル”」


ベクタのとてつもなく早い連撃が俺を襲う。


「ぐぁっ…」


俺は攻撃を防ぎきれず、直にダメージを食らった。 

俺はどのくらいステータスが減ったのか視る。


カグラ・ハルト Lv999…???種族:超越者

HP:2100/99999

MP:74000/99999

STR:99999

VIT:99999

AGI:99999

DEX:99999

INT:99999

MND:99999

LUK:ー99999:Errer

属性:魔神

スキル:能力創造スキルクリエイター 魔神 超越者 神眼 心眼 武術総合 縮地 銃術 気配遮断 危険感知 アイテム・ボックス 高速HP自動回復 高速MP自動回復 全属性耐性 状態異常無効 成長促進 経験値倍増 言語理解

# 


(ッ!?めっちゃ減ってるじゃん!これは…ヤバいかもな…)


俺には【高速HP自動回復】があるが、回復するのは1分に1000。つまり、全回復するのには約1時間40分必要になる。

だが、それはの話だ。


俺は新たな属性【魔神】のおかげで全ての魔法が使える。回復魔法だって使えるが…MPのコスパが悪い…

となるとやる事は1つだ。


「はぁ…どうやら、お前のこと舐めすぎてたわ…だから、こっちも本気を出すぜ?“魔神化”」


俺がそう唱えると、辺りの空気が一変する。急に空気が一段と重くなったような錯覚に陥る。そして、ベクタと同じように傷が癒え、右眼が紅くなる。

俺は自身のステータスを視る。


カグラ・ハルト Lv999…???種族:超越者

HP:99899001/99899001

MP:99899001/99899001

STR:99899001

VIT:99899001

AGI:99899001

DEX:99899001

INT:99899001

MND:99899001

LUK:ー99999:Errer

属性:魔神

スキル:能力創造スキルクリエイター 魔神 超越者 神眼 心眼 武術総合 縮地 銃術 気配遮断 危険感知 アイテム・ボックス 高速HP自動回復 高速MP自動回復 全属性耐性 状態異常無効 成長促進 経験値倍増 言語理解


「さぁ、もう一度始めようか─」 


そう言った直後、地面を踏み、ベクタへと迫る。


「ッ!?(速い!)」


「“弑逆謀殺レジサイド・マーダー”!」


俺の高速5連撃がベクタを襲う。


「うっ…なんで、急に強く…」


「教えてやるよ。俺もお前の【限界突破】のようなスキルを持っているからだ。まぁ、お前のは『2倍』だけど俺のは『999』だけどな。」


そう俺は、優しく教えてやった。


(そろそろ終わりにしないとまずいな…)


「チッ、これでも食らえ!─“カタストロフ・レクイエム・ソード”ッ!」 


最後の力を振り絞って放ったのか、今までとは比べ物にならない技を放ってきた。しかし…


「“回避剣アボイド・ソード”」


ベクタの16連撃をすべて受け流す。


「…魔法と剣技の融合か…。その技、オマージュさせてもらうか。」


俺は【ソード・オクロック】に、【カタストロフ・レクイエム・ソード】を登録し、そして─


「これで終わりだ!─“カタストロフ・レクイエム・ソード”!」


「ぐぁっ!?」


俺のオマージュした16連撃がベクタを襲い、そして、ベクタの翼を、髪を、腹を、そして心臓を…ベクタの全てを斬り去る。

バタンッ!

直後ベクタは倒れ、血を吐く。その直後、痙攣し、やがてピクリとも動かなくなった。


「あぁ〜終わった…」


俺はその場に座り込んだ。…随分と疲れた。アリスの時はそこまで苦戦しなかったが、まさかここまでだとは思わなかった。


「…美珠希と戦って誰も犠牲者を出さずに勝てるのか…?いや…」


無理だ、と俺は思った。…やっぱり誰かが犠牲にならなきゃ勝てない…だったら─


「ハル、ト…終わった、の?」


メフィアが、エミリアをおぶって、こちらに歩いてくる。


「あぁ。待ってろ、今回復魔法をかけるから。」


メフィア達が俺の所へ来る。俺は二人に最上級回復エクストラヒールをかける。


「よし、これで傷は治ったな。さて、と。後は…」


俺はベクタの所へ歩く。そして【火魔法】でベクタを跡形もなく燃やす。 


「…安らかに眠れよ。…次は“仲間”として会いたいな」


そしてメフィア達のところへ戻る。

その時、爆音が響いた。


ドゴォォォンッ!!


「何だ!?…あの方角は…!」


俺は知っている。『99999年』やり直してきたから知っているそこに何があるのかも。

俺はチラリとメフィアとエミリアを見た。…二人とも青ざめていた。


「もう動けるか?」


俺は二人に問いかけた。


「うん…動けるわ。」


「うん、私も…」


あまり、元気のない声…それもそうだ。自分たちの住んでいた城の方向から爆音がしたのだから。


「よし、掴まれ。行くぞ!」


俺は二人をしっかり抱きかかえると、【縮地】でへと向かった。

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