7話 邪神軍の幹部。
「………………ん…?」
目が覚めるとそこは何もない真っ白空間だった。
「どこだ?ここは…メフィアとエミリアは…」
周囲を見るが、白い空間が続いているだけでそれ以外は何もなかった。
「…………あっ…」
俺はふと思いだす。自分がここにいる原因になったかもしれない出来事を─。
* * *
「ハルト?何か言うことないかな?」
「お兄様?何か私に言うことない?」
俺は今、再び二人に問い詰められていた。
「はは…なんのことだろ…」
俺はとぼけた。とぼけるしかなかった。何故か?心当たりがあるからだ。
「へぇ、とぼけるんだ?“昨日の夜”のことなんだけど…?」
メフィアに詰め寄られる。もう、無理かもしれない。
何故、こんなことになっているのか?昨日の話に遡る。
* * *
二人から拘束され、そのまま体をヤりたい放題にされ、道具のように使われた俺は体力の限界が来ていた。
「ちょっと待て…さすがにこれ以上は…キツい…二人ともまだ満足しないか…?」
俺がそう言うと、二人は
「「全然!」」
そう声を揃えた。
そこで俺は二人にとある提案をした。
「仕方ねぇ…二人とも、“速効性の媚薬”を飲まない、か…?俺っ、は精力剤飲むからさ…」
「媚薬?…今よりもっと気持ちよくなるならいいかな♡」
「私ももっと気持ちよくなってお兄様に突いて欲しい♡」
二人はそう言うので俺は【創造魔法】で“媚薬という名の錠剤”を造って、二人に渡した。
二人が飲み込んだ、次の瞬間、
バタンッ
二人は倒れた。
「ふぅ、終わったか…なんとか騙せたようで助かった…」
そう、二人に渡したのは“速効性の媚薬”ではなく“速効性の睡眠薬”だった。
「さて…運ぶか。」
俺は眠った二人をベッドに寝かせ、布団をかける。
そのまま寝室を出て、俺は客間のベッドを使って寝た。
そして、次の日の朝。
目が覚め、体を起こすとメフィアとエミリアがにっこりと微笑みながらベッドに腰掛けていた。…もちろん顔に影を落としながら。
「…あら。おはよう、…ハルト。」
「おはよう、…お兄様。」
俺は冷や汗をかき、
「なんだ、まだ夜か…おやすみ…」
そんなことを言って再び布団を被る。
しかし、二人がそれを許すはず無く…布団を引っ剥がされる。
「えっと…何?」
俺はそう言った。
* * *
そして、現在にいたる。
「その…本当にすいません。体力が持たなくて…ん?」
俺は言ってる途中で何かの警報鳴っているような気がしたのだ。それが俺の【危険感知】による物だと気付くのにそう時間はかからなかった。
俺は立ち上がり、メフィアとエミリアを抱きかかえる。
「「え!?」」
二人は困惑した声を出したが関係ない。
「“結界・攻撃魔法無効”ッ!」
俺は半径1mの範囲に【攻撃魔法無効】の結界を張った。
その直後、俺達がいた家が吹き飛んだ。
「あっれれ?殺すつもりで放ったのに…なんで生きてるのかな?」
「はは…なんでだろうな。…殺気を感じたから、とでも言っておこうか。」
上空から姿を現したのは女性だった。正確には黒い翼を生やした天使─いや、“堕天使”だが…
「う~ん…
堕天使はそう呟いた
「なっ、に──」
その直後、俺は意識を失った。
* * *
「そう、だ…アイツに俺は何かをされて意識を失ったんだ!…『レクイエム・ソウル』そう言ってたな…名前からして俺の魂を強制的に眠らせるってのが効果だろうな。」
さて、じゃあどう戻るか、だ。恐らく、あそこで意識を失ったということは、メフィアとエミリアが戦っているだろう。
…二人よりもあの堕天使の方がステータスが上だろう。つまり勝てる可能性が非常に低い。
俺は待ってるしかないのか?
答えは否だ。
この白い世界にも何かはあるはずだ。その何かを探そう。
そう思い、立った俺の目の前に突如、謎の扉が現れた。
「うおっ!?なんだ?…入れってことか?」
その扉にはなにか貼ってあり、そこには、『記憶の回廊』と書かれていた。
「いいぜ、やることがない以上、入るしか選択肢はないからな。」
俺はそう言うと、扉のノブをひねり、扉を開いた──。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます