2話 契約という名の強姦。

目が覚めた。見知らぬ天井。見知らぬベッド。


「…どこだ?…もしかして“あの家”の中か…?」


俺はそう考え、起き上がり、窓へと向かう。 


「体ダルっ!何だこの脱力感…」


俺は立ち上がり、体がダルい事に気付いた。

テンプレだと、レベルが上がると脱力感に襲われるらしいし、レベルが上がったのだろう。…とりあえず窓から外を見る。

…どうやらここは、“あの家”の中らしい。俺はそのままベッドに戻ると、あぐらをかく。そして自分のステータスをワクワクしながら開く。


カグラ・ハルト Lv366 種族:人間(?)

HP:7.262577…E121/7.262577…E121

MP:1.097456…E122/1.097456…E122

STR:1.581628…E122

VIT:6.939796…E121

AGI:5.325890…E121

DEX:8.392312…E121

INT:1.258846…E122

MND:1.371820…E122

LUK:ー99999:Errer

属性:矛盾パラドックス

スキル:能力創造スキルクリエイター 矛盾パラドックス 神眼 二刀流 縮地 銃術 気配遮断 危険感知 アイテム・ボックス 全属性耐性 状態異常無効 成長促進 経験値倍増 言語理解


「なにこれ…ステータス怖…。いつの間にか、スキルも増えてる…ちょっと鑑定してみるか。」


俺はそう言うと増えていた5つのスキルを鑑定する。


銃術 レアリティ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

銃を正確に扱うことが出来る。


気配遮断 レアリティ ☆☆☆☆☆☆

気配を完全に消すことが出来る。


危険感知 レアリティ ☆☆☆☆☆☆

矢や魔法など、遠距離攻撃や不意打ちなどを感知することが出来る。


高速HP自動回復 レアリティ ☆☆☆☆☆☆☆☆

一分ごとにHPが1000程自動回復する。


高速MP自動回復 レアリティ ☆☆☆☆☆☆☆☆

一分ごとにMPが1000程自動回復する。


全属性耐性 レアリティ ☆☆☆☆☆☆☆☆

全ての属性に耐性がつくようになる。


状態異常無効 レアリティ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆

麻痺や魅了、薬物、隷属化、憑依、呪い、洗脳、催眠、など、あらゆる状態異常を無効にする。

# 


結果、普通に強かった!


「でも、なんだ?種族が…『人間(?)』というのは…」


俺が呟いたその時だった。ガチャッという音がし、扉が開く。


「…ハルト?」


そこに立っていたのはメフィアだった。


「おはよう。ここまで運んでくれたんだよな?ありがとな─ってうわっ!?」


俺は驚き、声を上げてしまう。

…何故かって?それはメフィアが、突然抱きついてきたからだ。


「ど、どうした!?」


「だって…もう、会えないかと思って…」


メフィアから弱々しい言葉が漏れる。


「大丈夫だ。俺は死なない…って言うか死んでたまるか!せっかく異世界に来たのに、こんなに早く死ぬなんて、ごめんだぜ。」


俺がそう言ったところでお腹が鳴る。


(こんな時に鳴るなよ…)


そんな俺を見てメフィアが、くすり、と微笑んだ。


「じゃあ、ご飯にしましょう。」


そう言うとメフィアは、踵を返して部屋から出て行った。


(何だよ…そこで笑うとか…可愛すぎだろ!)


俺は心の中でそんな事を叫んでいた。


* * *


─時間は進み、その日の夜。

事件は…起こってしまった…。

ご飯を食べた俺は、さっきの部屋に戻った。


「ハルト、それなぁに?」


俺は操作していた『スマホ』を止め、メフィアに説明する。


「これか?これは俺の世界の凄い機械でゲームや検索、などなど大体何でも出来る『スマートフォン』って言うんだ。略すと『スマホ』だな。」


俺は改めてスマホを見る。召喚される前、所持していた物。


(何故かアイテム・ボックスに入っていたが…)


そして、気になることがあった。それは─


「電池、何で減らないんだ?」


俺は不思議に思い、スマホを鑑定した。するととんでもない結果が出た。


スマートフォン レアリティ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 状態固定。

劣化、破損することがない。メール、電話は出来ないがゲームや検索などは出来る。地球人以外は、許可がないと触れることが出来ない。


鑑定結果に俺は絶句してしまう。するとメフィアが、


「それって、“何でも”調べられるの?」


と訊いてきた。


「え?あぁ、調べられるぞ。」


「ふぅん…私、ソレ使ってみたい…!」


「いいぞ。」


俺はメフィアに文字キーの使い方を教える。

【言語理解】のスキルをメフィアも持っていたので、普通に日本語を読むことが出来ていた。

…そういえばこの世界はなんていう名前なんだ?俺はメフィアに訊いてみた。


「なぁ、この世界って何ていう名前なんだ?」


「エルクレア。」


メフィアはそう答え、俺はスマホを渡した。俺が許可したのでメフィアは、スマホを使うことが出来ていた。

…そしてこれが後に大きな後悔を呼ぶのだった。 


* * *


「ねぇ、ハルト。」


メフィアにスマホを貸した一時間後。俺は音楽プレイヤーを止め、イヤホンを外し、横になっていた体を起こし、メフィアに向き直る。


「どうした?何か分からないところでもあったか?」


「うん、ってどうやるの?」


メフィアの言葉を聞いて、嫌な予感がした。


「…ちょっと貸してみろ。」


メフィアからスマホを手渡される。そして検索履歴を開く。


「………………」


ただただ、絶句するしかなかった。何故なら検索履歴は上から下まで全て…18で埋まっていたからだ。


「メフィア…これは─」


『どういう事だ?』と言おうとした時、メフィアに後ろから抱きしめられる。

むにゅ、と今朝、抱きつかれた時とは何か違う感触…。


「はるとぉ、わたし…もう我慢できない♡いい、よね…?」


俺は危険(主に貞操の)を感じ、『縮地』を使い一旦距離を取る。


「なっ…!?」


メフィアを見て驚いてしまう。メフィアは“全裸”だった。

どうりで抱きつかれた時、やわらかかった訳だ…って!何考えてる俺!?

メフィアは今“発情”している。

そして、女性の裸に耐性のない俺の息子も、その力を解き放とうとしている…!


Q:…ということは? 


A:一線を越えてしまう! 


そうはなるものか。俺はまだ未成年。法を破るわけにはいかない。

─それ、日本の法律だよな?ここ異世界だぜ?

心の中の自分が囁くが、知るかっ!


「な、何をする気だ!?」 


俺は…あえてとぼけることにした。


「何って…契約だよ♡」


メフィアはそう言うが、俺は知っている。


「…大体、こういう世界のパターンの奴だと、その契約って『嘘』だと思うんですが…?」


俺がそう言うとメフィアはにっこりと微笑んだまま、ジリジリと近づいてくる。


俺もそれに合わせて一歩、一歩と後ずさる。しかしメフィアは俺が下がった分、歩を進める。そして、俺が壁に背をつける。

うん、コレ…まずい奴だ…!


「あっ、あぁ、急にお腹の調子が…ちょっとトイレに…」


俺は逃げようとした。しかし…


「嘘だよ!…違うよねぇ?本当のことを言ってごらん?」


俺はどこぞの竜○レナのような圧(恐怖)を受け、立ち止まる。


「─ッ!?うぁっ!?…ってて…あ─」


そのせいで横に押し倒される。


「もっと素直になろう?ほら“こっち”はとっても素直だよ?」


メフィアはにっこりと微笑みながら、俺の息子を触る。

…俺の息子は、覚醒していた。

…もう、俺の運命は決まった。


「ふふ、逃がさないよ♡」

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