第169話 疑念
(神も問題なく倒せるようだ。しかも、「交換」まで使えるとは驚きだな。あとは、この空間でどのくらいのことができるのか検証しなければ。幸い、神格を得たことで出来る範囲も広がっているみたいだし。)
―新時空間魔法―「次元収納」―
次元収納を開くと、蒼白く光る握り拳大の球体を取り出した。
(新システムであれば、空間魔法も問題なく使えるな。う~ん。どこかに龍脈みたいなのはないかな。)
辺りを見渡すと、上空に浮遊している巨大な青い宝石が浮遊していた。
(あれかな?)
…ブンッ!!!
コウスケは、次元収納から取り出した球体を青い宝石に向け投擲した。
…トポン…
球体が宝石の位置に到達すると、水の中に沈むように吸い込まれていった。
(ビンゴッ!それにしても、女神を消滅させたうえに、源泉にハッキングモンスターを放り込んだにも関わらず誰も来ないとは…。これも神々のゲームとやらの一環なのかな?)
…
あたりを暫く散策していると、背後から声が聞こえる。
『ホッホッホッ!随分と好き勝手やってくれおったのう。小童。』
振り返るとギリシャ神話のに出てくるような男が白ひげを弄りながら立っていた。
(ようやく来たか。)
『返事をせんかぁぁぁッ!小童がぁッ!もう構わぬ。始末するのじゃ、天使達よッ!』
白ひげが叫ぶと、武装した天使の軍団が一瞬で現れ、コウスケに襲いかかってきた。
(この爺さん、沸点低いな。)
―新精霊術―
「グリム・リーパー・チェーン」―
コウスケは、漆黒に染められた鎖を天使達の身体に巻き付けた。
(天使達は自我の無いゴーレムか。エネルギーも大した量は無い。)
漆黒の鎖にエネルギーを吸いとられた天使達は、力なく崩れ落ちていく。
…レベルアップしました…
(経験値はなかなかだな。)
…
コウスケは、鎖を引き釣りながら白ひげに近づく。
『ぐぬぅぅぅッ!その力をどこで手に入れたぁぁぁッ!答えろぉぉぉぉぉッ!』
―神剣―
―「ゴッド・オブ・ソウルキャリバー」ー
白ひげは、白く輝く荘厳な大剣を右手に装備し、スキルを発動する。
―神業―「御祓」
空間全体が激しく振動し始める。
『ハァッ!…ハァッ!…ハァッ!…ハァッ!…ハァッ!…ハァッ!…』
白ひげの掛け声と共に、魂を揺さぶる衝撃波を放たれる。
(掛け声に合わせた回避不能の範囲連続攻撃か!?でも、掛け声で攻撃のタイミングが丸わかりなんだけど…。)
―シン・ユニークスキル―「透過」―
コウスケは、衝撃波が放たれるタイミングに合わせて「透過」を使い難なく回避していく。
『な、なぜじゃぁぁぁ?これだけ「御祓」を受けて、なぜ魂ごと消滅しない???黙っておらんで答えろぉぉぉッ!なぜ思考が読めんのじゃぁぁぁッ!』
(沸点が低いうえに、情緒不安定って…。神って一体何者なんだろう?)
『うぉぉぁぁぁぁぁぁぁぉッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!…』
コウスケは、引き続き衝撃波を回避していく。
(その攻撃は食らわないのに、バカの一つ覚えみたいになぜ繰り返すのだろう?)
『ど、どうしてなのじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!…』
―新精霊術―
「グリム・リーパー・チェーン」―
衝撃波を容易に回避出来ようになってきたコウスケは、白ひげに接近すると漆黒に染められた鎖を身体に巻き付け拘束した。
『ど、どうして儂が鎖で拘束されておるのじゃ?答えろぉぉぉぉぉッ!小童ガァァァァァァッ!…ガァァァァァァ…神気が吸いとられるぅぅぅぅぅ…。』
(……。神って、いったい…。)
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