第157話 ブレイブの焦り

『…フフ。二人もいよいよ下剋上を狙うステージに立ったカ。良いゾッ!良いゾッ!俺という壁を乗り越えてみせロッ!壁は大きければ大きい程良いというからナッ!これ以上ないくらい大きな壁となっテ、お前達の前に立ちはだかろウッ!』


ブレイブは二人の成長を心から歓迎すると共に、より大きな壁になることで二人の成長幅を引き上げようと考えていた。


そんなブレイブの気持ちとは裏腹にアーチャーとランサーは絶望の淵に立たされていた。


『そ、そんなことはありませんッ!ご、誤解ですッ!旦那様ぁぁぁッ!(そもそも、壁が大きすぎて乗り越えられませんッ!)』


『そ、そうですッ!げ、下剋上などと今どき何の意味も価値もありませんッ!(そもそも、目指すところが違いますッ!)』


ブレイブは二人の言い訳を手で制すと、全身から針を放出するような鋭いオーラを身に纏い始めた。


『コウスケ様が龍闘気を纏って戦っている姿を見テ、自分もできないか試行錯誤して編み出したオーガの闘気―オーガニックオーラ―ダッ!これをお前達にも伝授してヤロウ。お前達ッ!この―オーガニックオーラ―を使っテ、見事下剋上を果たしてみせヨッ!!!』


アーチャーとランサーは、雷にうたれたような衝撃を受けた。


『『―オーガニックオーラ―…??』』


ブレイブは嬉しそうに答える。


『そうダッ!―オーガニックオーラ―だッ!お前達もそう呼ぶのダッ!』


アーチャーとランサーは、ノックアウト寸前に追い込まれ、一時的に正気を失った。


『…”そうそう、オーガニックオーラを纏えば、どんな敏感肌の方でもだいじょ~ぶ♪”……って、なるわけないやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!ネーミングセンスゥゥゥッ!』


『…“ウチの子どもたちは、み~んな肌が弱くて、オーガニックオーラを纏ってますのよ♪お~ほっほっほ~♪”……って、逆になってまうやろうがいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!オーガニックの意味ぃぃぃぃぃぃぃ~ッ!』


いつもと様子が違うアーチャーとランサーにブレイブは焦りを隠せずにいた。


『オ、オーガニックオーラという名前ハ、ダメだろうカ?』


『『ダメですッ!』』


『でハ、オーガズム……』


『『もっと、もっと、ダメですッ!!!』』


『でハ、男鹿半島……』


『『オーガじゃなくて、ナマハゲになってまうやろがいぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!!』』

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