第116話 ピンチ!?
コウスケ達は、モグ太郎をはじめとする土竜ドラゴン達を次々と仲間にしていった。
土竜ドラゴン達は、海が乾上がった際に無理矢理従わされ奴隷のような扱いを受けていたことから、コウスケが雇用条件を提示するとあっさりランクエラーの農園エリアの手伝いをすることに合意していった。
(相当ブラックな労働をしていたんだな…。雇用条件を提示したら、泣き出すヤツまでいたし…。)
すべての土竜ドラゴンとの雇用契約を終えた頃、ウーパールーパーのようなドラゴンがトラップにかかった。
(皮膚が所々焼けただれていて、かなりダメージを負っているな…。喋る気力もないのか…。土竜ドラゴンと違って水生生物だから、熱湯攻撃がよっぽど効いたんだな。)
<う~ん。モグ太郎達とは違う種類のドラゴンッスね~。モグ太郎、コイツ誰ッスか~?>
モンタを頭に乗せたモグ太郎が衝撃の一言を発する。
『あぁッ!コイツはッ!海底龍ぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!』
(…虫の息状態の海底龍…。海が無くなった経過を聞いてみるか…。)
…
コウスケは、モグ太郎の時と同じように「マリオネット」で海底龍を操り、情報を引き出していた。
龍脈の源泉から直接エネルギーを長期にわたり吸い取っていたこと、水の精霊を追い出したこと、水産資源を食べ尽くしたり遊び半分で破壊したりしたこと、水を魔界にいる上位龍に献上していたことが、海が乾上がった原因であった。
(害虫の枠をはるかに超えているな…。…コイツには海が復活するまで働いてもらおう。)
コウスケは、次元収納からモグ太郎に渡したモノよりも一回り大きな球体を2つ取り出した。
「海底龍。水を献上していた上位龍にこれを渡せ。」
海底龍は球体を受け取ると、静かにトラップダンジョンの出口へと進み始めた。
(自己再生スキルがあるから回復しなくとも大丈夫だろう。)
「ダミ吉、現在放水している熱湯をストップしておいて。」
<了解ッス!マスターッ!>
「黒、海底龍の追跡をするから手伝ってくれるかい?」
コウスケの影に潜んでいた黒が答える。
『喜んでお手伝いいたします。魔王様。』
コウスケが時空間フィールドを展開して黒の影に飛び込むと…
“まってたわ~ん♪惹王様♪”
色欲の大罪武器“ラスト”が影の中に潜んでいた…。
(…………。暗闇のなかに趣味の悪い「鞭」がスポットライト浴びて潜んでいる…。……これは、今までで一番のピンチかも…。)
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