第76話 鬼ごっこの行方
(この不毛な戦いに決着をつけよう。)
コウスケは泥試合を演じている赤ゴブリンの背後に気配遮断スキルで近づき、気づかれないようにクロンを使って10秒間に触れた。
『…コウスケ。いくら赤ゴブリンに触れたくないからといって我を使って触れるとは、ちと酷いのではないかのう。』
「ク…クロン越しでもスキルが発動するのか実験しただけだよ。」
『カッカッ!そういうことにしてやるかのう。』
…条件を満たしました。ユニークスキル「マリオネット」を発動します…
…成功…
…今すぐ操りますか?今すぐ操らずにリストに追加しますか?…
コウスケが“今すぐ操る”を選択すると赤ゴブリンの表情から感情が消えた。
(これは凶悪なスキルだな。)
「赤ゴブリン。お前の召喚主の情報を教えてくれ。」
赤ゴブリンは淡々と答える。
『召喚主の名前はレヴィ。蠅の魔王種。大罪武器の一つ”エンビィー”所持者。今は現大罪武器グラトニー所持者の監視及び抹殺の任務中。怒りの沸点が低く、頻繁に癇癪を起こす気質有り。部下からの評判が著しく悪く、現在従っている者は私を除くとゼロ人。その性格の悪さから“沸点冷水”と言われている。私も近々退職を考えている。』
(後半は、ほとんど悪口…。)
グラトニーが“エンビィー”という言葉に反応した。
“ほう。エンビィーですか…。”
(もう一つの大罪武器か。ソニ子達、大丈夫かな…。)
コウスケが心配をしていると、ユニが再びソニ子達から報告を受けた。
『ソニ子達の報告によると鬼ごっこには勝ったそうですが、逃げられてしまったとのことです。しかし、戦利品として、持っていた傘をゲットしたとも言っています。』
(大罪武器を所持している魔王種と鬼ごっこをして、傘を奪った???)
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