第22話 朝ごはん
「ユニ、クロン、モンタ、おはよう。」
コウスケが起きると、テントの外でユニ達がが荷物の整理をしていた。
「コウスケ様、おはようございます。よく眠れましたか?」
『うむ。良い朝だな。今日も良い日にするぞ!』
『おう!コウスケ!早く朝ご飯作ってくれ!』
(なんか見慣れない荷物が沢山あるけど、気にしたら負けだな。)
「ありがとう、よく眠れたよ。すぐに朝ごはん作るね。」
今日の朝ごはんは、昨日焼き肉の準備をしたときについでに仕込んでおいたオーク肉のベーコンと迷宮芋で作ったマッシュポテトだ。
(うん!前の世界の行きつけのお店の看板メニューをなんとか形にできたな。)
「…こ、コウスケ様ッ!!な、何ですか?このお肉は!!!昨日の焼き肉とは、全く違う味わいです!肉の旨味が凝縮されてッ…、煙で燻したのですか?しかも、燃やすと良い香りの煙が出る木を厳選していますね。…この香りは迷宮桜…!?なんという発想力…。この独特の香りが口の中に広がって、肉の旨味を底上げしています。そして、なによりこの絶妙な塩加減が素晴らしいです!通常、肉の塩漬けは塩をこれでもかとかけるのですが、これは違います。最適な塩加減を計算しています。!!!…ッ、この塩も普通じゃない!迷宮岩塩を最適な大きさまですりつぶして、不純物を取り除かれたうえで、香りの良い乾燥させた薬草が数種類配合されています。これは、何年何十年職人たちが切磋琢磨して産み出される味です。コウスケ様!この料理はなんていうのですか?」
『ユニ!肉だけじゃねぇ!この迷宮芋をすりつぶしたこの料理も普通じゃねぇ!この料理は、茹でた芋の皮を剥いてすりつぶしたシンプルな料理にみえるが、茹で時間が全て計算され尽くされてやがる。塩加減も肉と一緒に食べたときに一番丁度良くなるようになってやがる。そして、それ以上に驚愕するのが、使われている木の実だ。砕いたアーモンドを中心に数種類ブレンドされていて、すりつぶした芋の単調な食感にアクセントを与えてやがる。スパイスも、ハンパじゃねぇ!希少な迷宮産胡椒を惜しげもなく使ってやがる。ランクエラーにこんな高品質な木の実や胡椒が採れるなんて大発見だぞ!迷宮芋にこんな調理法があるなんて…ちくしょう!ちくしょう!コウスケ!この料理は、なんていうんだ?』
「あ、うん。ベーコンとマッシュポテト。」
…どうやら、お気に召したようです…
…よ~し!今日も楽しく暮らすぞ~…
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