第8話 絶望を救いし者

「落ち着きましたか?とりあえず、同行してもらえるということで、ありがとうございます。俺の名前はコウスケです。早速で申し訳ありませんが、安全な夜営場所確保のため、何か良い作戦はありませんか?」


緑の髪の女奴隷は、真面目な表情に戻り、跪いて答えた。


「コウスケ様…。…取り乱してしまい、申し訳ありません。私のことはどうぞユニとお呼びください。また、私ごときに敬語は不要でございます。これからは、コウスケ様の配下として誠心誠意お仕えいたします。さて、夜営場所ですが、ここから10kmほど離れた場所にランクエラーと呼ばれるダンジョンがございます。そこのダンジョンのセーフティゾーンを利用して夜営してはいかがでしょうか?」


(良かった。ちゃんと切り替えができる人みたいだ。この忠実な配下キャラはやめてほしいけど、さっきの変態キャラよりは100倍ましだからスルーしよう。)


「それじゃ、敬語は抜きで…。ユニ、そのダンジョンについて詳しく教えてくれる?人の多さやモンスターの強さとか、あとセーフティゾーンについても教えてほしい。あと、差し支えなければ、ユニのスキルを教えてほしい。」


ユニは、名前を呼ばれたことがうれしいのか、頬を染めて長い耳を上下に揺らしながら答えた。


「かしこまりました。そのダンジョンはモンスターを倒してもなにも得られないためランクエラーと呼ばれており、人はほとんどおりません。モンスターは下の階層にいくにつれ強くなっていきますが、低層のモンスターはさほど強くありません。5階層ごとにモンスターが入ってこれない領域があり、そこがセーフティゾーンと呼ばれています。セーフティゾーンは街の広場と同じくらいの大きさと見た目て、そこで略奪行為をするのは法で禁止されています。あと、私のスキルですが、みてもらった方が早いと思いますので、……ステータス・フルオープン……」


ユニ

22歳

LV:15 職業:奴隷

状態:正常

HP:70/150 MP:250/250

攻撃:50

防御:50

速さ:100

魔法攻撃:120

魔法防御:120

【通常スキル】

精霊魔法Lv:3

弓術Lv:2

索敵Lv:3

【ユニークスキル】

精霊眼


(ランクエラーは、まさにこの時のためにあるようなダンジョンだな!ステータスをなんの躊躇もなしにみせてくれたし、ここはユニを信じてみるか!ちょっと変なヤツだけど、悪い感じはしないし…。それにしても、ユニって、見た目もそうだし、みればみるほど、前の世界のゲームとかに登場していたエルフのイメージに似ているんだよな~。)


「うん!ユニの案を採用するよ。ステータスをみせてくれてありがとう。俺もステータスみせるよ。作戦を立てていくためにも必要だから……ステータス・フルオープン……」


コウスケ=ナギ

5歳(40歳)

LV:5 職業:無職

状態:正常

HP:250/250 MP:400/400

攻撃:100

防御:120

速さ:80

魔法攻撃:150

魔法防御:170

【通常スキル】

火魔法Lv:2

水魔法Lv:1

風魔法Lv:2

土魔法Lv:1

生活魔法Lv:5

短剣術Lv:2

剣術Lv:2

悪食Lv:7

疾走Lv:2

気配遮断Lv:3

気配察知Lv:2

苦痛耐性Lv:5

病気耐性Lv:6

毒耐性Lv:2

【ユニークスキル】

異世界言語

交換

【称号】

絶望を救いし者new!

→成長率補正(小)


(中二的な【称号】増えてるぅ~!!)


「ご…5歳で…、こんなに、…スキルの数が…ユニークスキルも2つなんて…ステータスも私よりも高い…。【称号】まで…やはり、あなたは…救………主…様……!?」


(やっぱり、5歳のステータスとしては異常か?)


「ユニ、とりあえずレベルエラーに向かおう。モンスターも集まってくる頃だ。ユニの索敵スキルと俺の気配察知スキルを上手く組み合わせて、夜になる前に着くよ!」


「はッはい!!」


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