第5話 ゴブリン
「おいッ!奴隷ども!目的地に着いたから、
さっさと降りやがれ!!」
街を出て一時間程すると、森の入り口に到着し、奴隷達は馬車から叩き出された。
コウスケは、馬車の外から聞こえてくる会話からこの辺が目的地だと気づき、気配遮断スキルを発動させ、一足速く馬車から降りて、木の上に登って様子をうかがっていた。
(本当に森に棄てるつもりだったのか…。このあと奴隷達はどうなるんだろう。このまま放置されるのか。)
『ふぁ~。旦那ぁ~。早く出発しないとモンスターが集まってきやすぜ!』
『それもそうだな!本当はぶっ殺して経験値にしてぇが、仕方ねぇな!よし!首輪と鎖を回収して、さっさとずらかるぞッ!』
二人の声が聞こえてしばらくすると、馬車は道を引き返していった。
(ふぅ。とりあえず、なんとか街から脱出ができた。後は、水と食料と寝床の確保を優先に行動するか。せっかく木に登ったから、周りの確認からだな…って…なんだあれ!)
森の中から、裸で緑色の二足歩行の何かの集団が、奴隷達に向かって襲いかかっていた。
(あれがモンスターか!どうする!?スキルやアイテムを手にいれるチャンスだ…。…モンスターは全部で5匹か…もう手遅れかもしれないけど…できる範囲でやってみるか…)
コウスケは、気配遮断スキルを発動させ、ゆっくりと木から下り、静かに背後から近づいた。そして、獲物に夢中のモンスターの首筋にナイフで傷をつけるとすぐにその場から離れて茂みに隠れた。
『ギァグゲァアアア~!!!!グ…ベ…ベヘ…』
首を切られたモンスターは叫び声をあげて、口から泡を吐いて苦しみだすが、ほかのモンスターは一瞬視線を向けるものの、すぐに自分の獲物に視線を戻して、蹂躙を再開する。
(気配遮断スキルとこの毒のナイフは相性がいい。時間はかかるが、このヒットアンドアウェイ作戦でいける!)
コウスケは、1匹目と同じ様に2匹目・3匹目・4匹目・5匹目と次々にナイフで毒を付与していった。5匹全員に毒が効いたことを確認した後は、先ほどの木の上に登ってモンスターが生き絶えるのを周りを警戒しながら見守った。
……レベルアップしました……
……レベルアップしました……
………ユニークスキル「交換」を発動します。倒したゴブリンの死体と「交換」したい物を選択してください………
・悪食スキルLv:3
・病気耐性スキルLv:2
・ステータスオーブ(攻撃+5)
・交換しない
(少し時間がかかるけど、毒だけでも倒せるな。しかも、離れていても問題なく「交換」できる。モンスターはゴブリンだったか。ゴブリンは5匹とも「交換」できるスキルやアイテムは同じか。)
………
コウスケは、悪食スキル×2、病気耐性スキル×3を選択した。
ゴブリンの死体は光の粒になって消えた。
コウスケ ナギ
5歳(40歳)
LV:5 職業:無職
状態:正常
HP:90/110 MP:130/130
攻撃:50
防御:50
速さ:50
魔法攻撃:80
魔法防御:80
【通常スキル】
悪食Lv:7up!
気配遮断Lv:3
苦痛耐性Lv:5
病気耐性Lv:6new!
【ユニークスキル】
異世界言語
交換
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