第7話 WE CANNOT CHANGE THE PAST

昨日、僕は彼女の過去を聞いた

笑いながら話す彼女の瞳に寂しさが映っていた

僕はタバコに火を付け、ゆっくり吸い込んだ

二人の間に、沈黙が少しだけ距離をつくってしまった

僕はその過去を気にするつもりは全くなかった

いや、気にするまいと自分に言い聞かせてた

だって、その時僕は

"何故そんなことを聞いてしまったのだろう

そんなこと知らなくてもよかったじゃないか"

と少し後悔していた

彼女もまた

"言わなければよかった"

と思っていたに違いない

そして彼女の唇が

"もう、早く忘れたいの"

と動いたように見えた

僕は彼女の肩を抱くのがやっとだった。


自分の部屋に戻って僕は、シャツを脱いでベッドに倒れた

その晩は、彼女のことを考えないようにした

でも、明け方まで眠れなかった

僕は、まだ眠っている待ちを自転車で駆け抜け

高層ビルのよく見える公園に来た

きれいな紫色の空にはまだ

昨日輝いていた星達が

帰りそこねたように散っていた

僕は、LEVI'Sのポケットから

しわくちゃになったタバコをくわえ

彼女のことを考えながら火を付けた

二本目を吸い終わるまで自分の過去を考えていた

三本目をくわえたときに、高層ビルの間から

今日という太陽が、僕にやさしい光を投げてくれた

そして、

"そんな昔のことばかり気にしたってしょうがないさ、

君には今日から未来があるじゃないか"

と言ってくれた

大きく伸びをして三本目に火を付けた


僕は急に彼女の顔がみたくなった・・・

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