番外編 恋文〈ラブ・メッセージ〉

 番外編です!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




『響夜くん、こんばんは。まだ起きてますか?』

『起きてるよー。てか、敬語は崩さないんだね』

『あ、当たり前です! 親しき仲にも礼儀あり、です!』

『君が言う!?』


 一緒にライブ行った日から数日。俺たちはいつも通りSNSのDM《ダイレクトメッセージ》で会話をしていた。


『わ、私だってこれくらいちゃんとしてます!』

『いや、別に崩してもいいと思うけど……』

『い、いいんです!』

『お、おう』


 謎テンションの美亜。いや、なんでDMでなんでこんなテンション高いんだ。


『で、どうかしたのか?』

『あ、忘れるところでした。今日から私、毎日響夜くんにおはようとおやすみ言いますね!』


「はっ!?」


 思わず声が出る。いや意味わからん!


『えーっと? どゆこと?』

『だから、私が毎日おはようとおやすみを……』

『それはわかる。俺が聞きたいのはなぜってこと』

『あ、そっちでしたか(笑)』


 いや(笑)じゃないだろ。他に何があるっていうんだ。


『毎日言ったら響夜くんが私を忘れないかなーって思ったので』

『なるほど(?)』


 うん、おはようから始まっておやすみで終わるとかカップルかよ!


『いや、そもそも忘れないし、そんな面倒臭いことしなくていいよ』

『面倒臭い……(´;ω;`)』


 悲しげな顔文字。俺は自分の失言に気づいた。美亜の好意を面倒臭いと言うのはさすがに失礼ではないか。

 俺は慌てて発言を取り消す。


『ご、ごめん、冗談だよ!』

『ホッ(*´ω`*)』 

『でも、美亜が大変じゃないの?』


 一言でも毎日言うのは大変だと思う。朝とか忙しい時も多いだろうし……。


『私が言いたいだけだからいいのです』

『そ、そう……』

『ってことで、これから毎日言いますね!』

『う、うん……』


 礼儀正しい美亜が積極的にくる様子に、俺は少し引いていた。


『絶対に響夜くんを振り向かせてみせるので! できることは全部します!』

『た、楽しみにしてるね……?』


 清々しいまでの宣言。どう返せばいいかわからず、?をつけてしまった。


『それではおやすみなさい』

『おやすみ。いい夢見てね』


 やり取りを終えてスマホを閉じる。


「まぁ、美亜から毎日おはようとおやすみ言われるって嬉しいからいいけど」


 美亜には言えない本音が溢れる。

 今、俺の表情はきっとだらしなく緩んでいるだろう。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 読んでくださりありがとうございました!

 今回は響夜と美亜のやり取りでした。ネット恋愛ってどうしてもしょっちゅう会うわけにはいかないので、SNSでのやり取りが甘々になるのですよね(笑)


 明日から二章の連載を開始します! 引き続き楽しんで読んでいただけると嬉しいです!


 目指せ、糖分過多!





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