第3話   風俗通いの日々

 LINEのやり取りの日が続き、また店に

彼女に会いに来ている。タガが外れた様に、3日と空けずに、通い詰めている。

 会うたびに、新しい彼女の一面が発見出来るし、客としてではなく人と、して向き合ってくれるし、癒されていくのだ。

 それが、自然なのだ、とても仕事だけの事とは思えないのだ、俺も、それなりに生きて来ている。いや、多分普通の人以上の、人生経験をしているはずだ。今は、すっかり堅気だが、前は、ヤクザの大幹部と言われ、数千人の部下がいたのだ、だから人を見る目は、ある程度持ってるはずである。そんな、自負もあり、若い風俗嬢の事位見抜けるはずである。

 彼女も、決して金だけではないと確信している。自分のプライベートでも、決して話さないような事まで、話しているからだ。自分の免許証まで出して来て本名まで明かした。

 なぜ、そこまですると聞いた事があったが、

あなたも、全部話してくれたでしょ。

 私も、嘘ついてると思われたくないと、ニッコリ笑いながら言ったのだ。

俺の事好きなのか?聞いた。

 もちろん、彼女は、少し照れくさそうに言って抱きついて来た。

 こんなジジイがか?俺は、言ったが、彼女はうんと頷いた。

 でも、こんな事は、いつまでも続く訳がないと分かっているが、そうならない様に願わずにいられなかった。現実的、親子いや孫ほど年が離れているのだ。もちろん外で会う事はない、さすがに、人の目がある、黒ギャルと、還暦前のハゲオヤジだ、いっしょに歩けば、相当目立つし奇異の目で見られるからだ。

 彼女の無邪気さと、見た目からは、想像も出来ない常識、(昭和世代の常識だが)を持っていた。そんな事から、家庭事情が察する事ができる。俺は、変な感が働く、ヤクザ時代の名残りだ。先を読み過ぎてしまう癖が身に付いてしまっている。

 彼女は、しっかりした、俺と同世代の祖父母に育てられたら、両親に、愛されて育てられて来たのは、明らかだった。

 なぜ、こんな風俗の世界に入ったかも話してくれた。それを、聞いて嘘でない事はすぐにわかった。それを聞いて愛おしく思ってしまった。そんな事で、店のスタッフに顔と名前まで覚えられてしまうほど、通い詰めているのだ。

 彼女は、なぜ俺なんかと、考えた。

本当のところは、本人もわからないと、いつも言っている。彼女は、俺に父親の影を見ているのかもしれない。でもセックスの時には、自分から求めて来る。もちろん店の中でだ。とても仕事をしている感じではなく、自分が楽しんでいるようだ。

そんな、本気の彼女を見るのも楽しみになっているのだ。この仕事で、いちいち本気になってしまったら、とても体がもたないが、俺の時は、どうみてもあそこの濡れかたが違うし、悶え方や声も、完全に外まで響いている。本気でない訳がない。そんな体の相性もあるのかもしれない。いつも、ふたりはプレイを楽しんだ。

 彼女は、店ではトップの人気嬢なので予約は難しいのだ。予約は、彼女に直接頼んでいる。彼女は、毎日でも会いたい様である。

俺もだが、そんなに金がない。

 会いに行ける訳も無く、年甲斐もなく寂しくて自然と涙が出て来る。

 俺の思い違いかもしれないと、思った事もあつたが、店に行かない日は、もちろん自分が休みの日でも、メールをしてくる。

 もちろん、プライベートのメールアドレスからだ。俺よりたくさん通っている客もいるようだだが、プライベートのメルアドや、本名まで話している客は、俺だけどと言っている。

 まぁ、常連客だからといって、いちいち教えていたら対応できなくなるのは、わかっているからもちろん教えている訳がないのだ。

 Twitterもフォロワーが、1万人以上いて、D Mも、かなり入ってくると言っていた。写真を加工してかなり盛っているので、アイドル並に可愛いくしてある。

 二人にの間に嘘は無い。そんななか、彼女は、親知らずが痛むので、歯医者に行ったら顔面神経とかなり、近いので、大学病院での治療が必要になったと言う。

 長期の休みが必要になった。俺は、体が大事だからちゃんと治療した方がいいと答えた。彼女の誕生日を楽しみにしていたが仕方がない。

 ちょと、やな予感がしている。彼女がこのまま店を辞めてしまうのではないかと思った。

 口には出さないが、そんな予感がしてならない。そして、LINEのブロック、Twitterのダイレクトメールもブロックされてしまうのではないかと思っている。その為、それ以来毎晩、その悪夢にうなされていのだ。そんな夏の日がはじまろうとしていた。

 

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