第18話 観覧車
「よし、最後にあれ乗るか」
「あ! 乗る!」
先程とは打って変わって笑顔になった柚愛。
「どうぞ」
係員の指示により乗り物へ乗り込んだ2人。
空いていた為、並ぶことはなかった。
「やっぱり観覧車はいいね」
「ああ。大人になっても観覧車は乗りたいもんだな」
「遥也さん、今日はありがとうね。凄い楽しかったよ」
「楽しめたならよかったよ。俺達は教師と生徒だから、普段は出かけたりとか出来なくてごめんな」
「そんなことない! たまに出かけられるからその分何倍にも楽しめるよ! だから気にしないで」
「柚愛……ありがとうな。そっち、行っていいか?」
「え? うん、いいよ」
神林は柚愛に断りを入れるとその隣に腰掛けた。
「柚愛、大好きだよ」
神林は柚愛の頭を撫でながらそう告げた。
「うん……あたしも大好き」
柚愛はうっとりと幸せそうな顔をしながらそう答えた。
柚愛の頭を撫でいた神林の手は次第に背中へと回っていた。
柚愛もれそれに答えるよう神林の背中に腕を回した。
「ん? どうしたの?」
「いいからじっとしてて」
何やらゴソゴソとポケットを漁る神林に柚愛は問いかけた。
だが、理由は分からずじまい。
「柚愛、目閉じて」
「う、うん」
神林は柚愛を一度自分から離すとそう告げた。
そして、何やら首元に手をかけた。
「目、開けていいよ」
「うん……え、嘘……は、遥也さん」
柚愛は目を開け、首元に視線を移すと信じられないと言わんばかりの顔をした。
「プレゼント。気に入って貰えるといいんだけど」
「すっごい気に入った! ありがとう。可愛いネックレス……」
神林からのプレゼントはシルバーの変形ハートのネックレスだ。
「気に入って貰えてよかった」
「ありがとう。……あ、頂上だ」
「ほんとだ。柚愛、大好きだよ」
神林は柚愛の肩に手を置き、顔を傾けた。
そして、触れるだけのキスをした。
「遥也さん……あたしも大好き」
顔を離し俯いた柚愛の頬は真っ赤に染まっていた。
だが、直ぐに顔を上げると遥也にそう伝えた。
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