第14話 相談して
それから数週間後。
テストも無事に終わり神林のお陰で期末テストの赤点は免れた。
それだけじゃないなんと、平均点を取る事が出来た。
「今日は夏休み明けにやる文化祭について決めるぞ。何かやりたいのあるか」
神林からの問いかけに生徒達は、言いたい放題。
「とりあえず、今出たのがおばけ屋敷、メイド喫茶、男女逆転カフェ、和装喫茶か。多数決で決めるから全員目瞑って顔伏せてくれ。俺が順番に言ってくからやりたいものに手を上げてくれ」
神林の言葉に全員が目を瞑り顔を机に伏せた。
そして、神林はおばけ屋敷から順番に言いそれに対し生徒は手を上げていった。
「……多数決の結果、2年2組は和装喫茶に決定。これから準備とか本番までよろしくな」
圧倒的な大差をつけ、和装喫茶に決定した。
「あ、山科さん……久しぶり」
「白川くん……久しぶり」
その日の休み時間柚愛の席まで来たのは白川だった。
同じクラスだが会話するのは柚愛が足を怪我して以来だ。
「そういえば、こないだ4時限目の数学の後先生と何してたの?」
「え? 数学の授業の後?」
「うん、先生とノート持って出てったよね? あの時戻ってくるの遅かったみたいだけど」
「(え、それって……こないだ先生に告白された日だ。絶対にバレないようにしなきゃ)」
「あーあの日は……数学で分からないとこあったから先生に聞いてたの。そしたら遅くなっちゃって……」
「あ、そうなんだ。何かあったのかと思ったよ。もし、何かあったらいつでも相談乗るからね」
「あ……ありがとう」
柚愛は苦笑いを浮かべながらそう礼を伝えた。
「ただいま。柚愛って白川と仲良かったっけ?」
白川と入れ替わりに穂花がお手洗いから戻ってきた。
そして、柚愛の座る隣の席に腰掛けた。
「おかえり。足怪我した時、階段降りるのに荷物持ってくれたんだ」
「それだけ? なんかもっと仲良いのかと思った」
「うん、それ以外で喋ったことないよ」
「そうなんだ。まあ、なんかあったら白川じゃなくてあたしにも相談してよね」
「うん! 穂花ありがとー!」
柚愛は穂花に満面の笑みを見せた。
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