第4話 コンビニからの帰り道

「本当にごめんなさい」


コンビニからの帰り道、有紀ちゃんはずっとこの調子だった。


「もう謝らなくていいから」

「そんな、でも…。助けてもらって、家に帰りたくないあたしを無理矢理帰らせたりもせずに家に泊まらせてくれる人に対して…」

「私のこと思って言ってくれてたんでしょ、いいよ」


なんなら心配されてる我が身に嬉しさの方が限界突破だったよ。


「時間も遅いですし、ぱっと作ってお姉さんがすぐ食べて寝れるようにします」

「へへっ、すぐ寝たら私、太っちゃいそうだね」

「いいです。お姉さんはもう少しふとましくなるべきです」

「そうかなぁ?」

「そうなんです!」


ふんすっ、と言う有紀ちゃんを見ながら可愛らしさに微笑ましく感じていると、



クー…。



なんて私の腹は欲望に忠実なんだ。


「お腹空いたね」

「期待してください。あたしが腕によりをかけて美味しい料理を作ってみせます。こう見えてあたし、料理はちょっと得意なんです」

「そうなんだ、楽しみだなぁ」


ん、フラグかな?

ともあれ人の手作りを食べるのはもう何年ぶりだろう。


高校生の時に後輩ちゃんが作ってくれたお弁当以来だなぁ。

楽しみだなぁ。



クー。



そんなことを考えているとまたもやお前か、腹の音よ。


「お姉さん、楽しみにしててくださいね」

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