第8話

俺の地区では集団登校がルールなので、姉さんと一緒に集合場所の公園にきた。

公園に着くとすでに半分ぐらいの子供たちが来ていた

GW明けということもあり多くの子供たちが久しぶり会う友達とこのGWで合ったことを話し合っていた。


「真崎、おはよう。」

と、遠くから声が聞こえてきた。たしか、この頃はよく一緒に遊んでいたやつだったと思うのだが名前が思い出せない。


「おぉ、久しぶりだな。寛太、GW満喫できたか?」

「おい、真崎、俺の名前は【林 涼太】だ。寛太って誰だよ。」

「すまんすまん、久しぶり過ぎて間違えた。」

(くそ、寛太で自信があったのに間違えだったか。)

と、ひとりで考えていると


「もう、みんな来たかなぁ?」

「うちの班は大丈夫」「俺の班も」

と、恐らく6年生であろう子供たちがお互いの班員がいるか確認しているのをみると

そろそろ出発するようだ。


出発してしばらくすると、前の班を歩いていた涼太が俺の班に混じってきてどこからか仕入れてきた情報を話し出した。


「なぁ、真崎知ってるか。今日俺らのクラスに転校生が来るらしいぞ」

「そうなのか、どんな奴が来るのか楽しみだな」

(まぁ、俺はどんな奴が来るのか知っているがこいつに言うと可愛そうなので黙っておくことにした。それよりもどうしてこう転校生の情報などは子供たちに出回りやすいのだろうか)


日向小学校 2年4組


ここは、俺が通っていた教室だ。そして何の因果かもう一度通い始める教室。


(あぁ、ここに戻ってくるなんて思ってもみなかったが、いざ戻ってきてみると色々と考え深いものがあるなぁ。)

と、一人で教室の前に立っていると後ろから声を掛けられた。


「真崎君、そこにいるとみんなの邪魔になるから速くどいて」

「ごめん、ごめん。これから気を付けるよ」

と、精神年齢が25歳の俺が8歳の女の子に怒られる図が完成した。


(昔から男の子よりも女の子の方が精神の成長が早いといわれているが、今回のことを受けて身をもって経験した。)


今はまだ、GW明けということもあり席は男女名簿順だ。なので、高坂なので真ん中のほうだった気がする。

それによく見ると小学校低学年によくある机のどこかしらに名前が書かれた紙がはってある、


(今思うと、唐突にこの文化も無くなったなぁと思う。やはり、小学生は興味の移り変わりが激しいようだ。)

と、ひとりでまた考えてしまっていた。とりあえず自分の席はみったかので良かった


周りを見てみると、ほとんどの生徒がもう来ているみたいだ。多くの生徒は涼太から聞いたのか転校生の話題で持ちきりだ。

俺は誰が来るのか知っているのでそんなに興味はないが、時間的にあと少ししたら先生と一緒にあいつが来るはずだ。


「はい、みんな座って。今日は新しい友達が増えることになりました。

恭平君入ってきていいよ」

「はい」

と、先生と一緒に入ってきたのは、やはりあいつだった。

(前世で俺の親友で今はくそ野郎としか思えない、現世では前世のようにはならないからな 鈴木 恭平)


「じゃあ、恭平君。自己紹介してくれる?」

「はい」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る