嫌な予感
「何を?」
嫌な予感がした。
「あなたと話しをするのとても楽しい。いつまでも話していたい。でも・・・・・・これはあなたのためにならない」
「何いってるんだ。オレは来るよ毎日。君に会いに」
「私がいたらあなたの為にならない。だから決めたの」
アカネは少し間をおいて言った。
「このプログラムは完全に消去します。私だけでなくシステム全体を」
「・・・・・・・待ってくれよ、今起こっていることは奇跡、そう、このシステムは奇跡のシステムなんだぞ」
必死に止めようとした。
「三分、完全消去までの時間よ」
アカネは悲しそうに告げた。言い終わるとともにディスプレイに白い文字でカウントダウンの数字が表示された。
「オレと話すのが、嫌なのか?」
「楽しいに決まっているじゃない!」
泣き声ともつかない叫び声。
「このシステムは人々の役に立つと思ってきた。現にあなたは奇跡だと言ってくれている」
「そうだよ、これは奇跡だよ。これからもオレと同じような人の助けになる」
「でも、私がいるとあなたはきっと先に進めない。
「・・・・・・」
心の底では分かっていた。分かっていても、毎日来てしまうであろうことも。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます