勇者の驚愕と手紙
「知らない天井だ…」
そう呟き、俺、ユウトは辺りを見渡す。
木造の小さな小屋だ。
若干声が高い気がするが気の所為だろう。
それより重要なのは、何故俺が生きているのか。
という事だ。
俺は魔王と戦い渾身の一撃を打って魔王と相打ちになったのだが…
そこで、机の上に1枚置き手紙があったので、手を伸ばして読もうと…
「あれ?俺の腕こんな細かった…か?」
異常を感じた俺は小屋の隅にあった姿見に向かった。
そこで俺は今までで一番の叫び声を出した。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
驚くのも当たり前だと思うなぜなら自分の体が女になっていたのだから…
そこで、俺は違和感を持った。
なんか見たことあるのだこの体。
5分程度考え込むと急に頭の隅から記憶が戻ってきた。
「そうだ…この体…俺がこんな感じの子が好みだなぁ…とかいって作った体じゃないか…」
そう、俺は時々理想の女の子を思い浮かべて魔法と精霊の力を借りてこの体を作っていたのだ…
まさか自分がこの姿になると思っていなかったのだが。
腰あたりまで伸びる銀色の髪、くりっとした海のような青い目、慎ましやかな胸、引き締まったお腹。
なんど見ても俺が自分で作った体だった。
何故このような体になったのか分からないため、置き手紙に理由が書いてあるのでは無いだろうかと思って手紙に目を通した。
今、私は全魔力を使って貴方をどうにかして死なせないように試行錯誤をしながらこの手紙を書いています。
多分私の魔法が成功したのなら貴方は今混乱しているでしょう。
どうして生きているのか。どうしてこんな姿になっているのかと。
理由は簡単です。魂の器になるような体がその体しか無かったからです。
なので性別は変わっていますが、魂は貴方のままです。
もちろん能力も変わっていません。
と、説明するのはこれぐらいで十分ですかね。
私も長々と手紙を書いているほど余裕がないので。
最後に私は全魔力を使ったため長い眠りについてしまうと思います。
そのうえ貴方が目を覚ます時期も分かりません。
でも安心してください。貴方の体はしっかりと安全な場所に転移するようにしておきましたから。
時期はそうですね。壊れていなければ貴方が寝ていたベッドの近くの机に、年、月、日、時刻をしるす時計を置いておきました。
それで確認してください。
また会えることを祈っています。
テリア
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます