魔王を命と引き換えにして倒して死んだはずなのに何故か美少女になっていた件
黒羽楓
終焉
俺の名前はユウト、俗にいう勇者ってやつだ。
12歳の時の職業判定の時に勇者という職業になってしまったんだから仕方ない。
勇者の職業を貰ってからというもの俺は勇者の使命として、魔王を倒す旅を始めた。
その旅の途中で何人もの仲間と出会った。
女で唯一の剣聖シーラ、俺の今では1番の親友のワタル、職業は戦士だ。そして、聖女のリーエ、最後に、賢者のスティア、男3人女2人で魔王を倒すための旅とはいえ、コツコツとレベル上げをし、有意義で楽しい旅を続けた。
だが、俺達が旅を初めてから3年が経つと俺達のレベルは全員上限に達していた。
そのために俺達5人は覚悟を決め、魔王を倒しに魔王城へと向かった。
魔王城へ到着すると、無我夢中で、魔王と戦った。
途中に魔王の部下なども居たが5人で力を合わせれば楽に勝てるモンスターばかりだった。
だが魔王は違った。
俺達の、攻撃は少しずつしかダメージを与えられていなかった。そして、何分か戦っていると、無言の空間に声が広がった。
最初にシーラが
「ハァハァ…もう無理よ…ユウト…」
その次はワタルが
「俺も、もう限界…だっ!!」
そして、リーエも、
「ユウトさん…私も回復の為の魔力が…」
最後に残ったスティアさえも
「僕はまだっ…ごめん…僕ももう全然魔力がないや…」
全員が弱音を吐いていた。
そんな仲間の声を聞き、俺は最後の決心をして、俺の相棒に、声を掛けた。
(テリア、やるぞ!)
(いいんですね?ユウト。この技を打ったら貴方はもう…)
(あぁ!アイツらのためなら!)
「みんな!俺に残りの魔力を!!」
「ユウト。何するつもり!?」
「シーラ。ユウトを信じよう…ユウトのことだ勝機があるに違いない。」
「そうですよ!ユウトさんを信じましょう!」
「やってくれよ!ユウト!僕は信じてるからっ!」
仲間の声を聞き、みんなの魔力を貰い、恐らく最後の技となる技を打つ準備をし、叫んだ。
「終焉―ロスト―」
俺達全員の魔力を使い、俺達全員で魔王の最後を見た。そして、俺以外の仲間は、抱き合ったり、ハイタッチをしたりしていた。
そして、スティアが声を掛けてきた。
「ユウト!僕達やったんだ!」
だから俺は、
「あぁ、そうだなやったんだ。」
と、言葉を返し、
倒れた。
そこからの記憶は曖昧だ。だがシーラもワタルもリーエもスティアも泣いていたのだけは覚えている。
そして、
「泣くなよ…魔王は…倒したんだ…」
とシーラ達を慰めるために、言葉を放った。
だが言葉は弱々しかった。
そして、意識が暗転し、それが俺、ユウトの最後の言葉となった。
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