第6話 卑怯者
リゼットは、国王の姿で敵兵に紛れていたが、いささか困る質問をされた。
「ところで、国王様。失礼ですが、国王たるお方が地下牢へ何のご用で?」
(国王は、自分が助かればそれでいいタイプのクズだった…なら、この場合の答えは…)
「そ、そうじゃな…実はだな…襲撃者がとても強くて、兵士達が総出でかかったとしても、これは勝てないと思ってな。
王室の前に兵士達を待機させ、あやつらが時間稼ぎをしている間に、わしはそのまま秘密の抜け道から、ひとりで急いで逃げて来たんじゃ。
地下牢へにでも逃げ込めば、襲撃者もわざわざ地下牢までは探しには来ないじゃろうと思ってのう。」
「そうですか・・・では、地下牢までお気をつけて。
いまのところ、地下層に敵は居ません。
私は上の様子を見てきます。
もしものために、国王様は私が戻って来るまでくれぐれも、上の階へは来ないようにしてください。
安心してください、すぐ確認して必ず戻って来ますから。」
「あぁ……わかった。」
警備の騎士兵が背を向け、立ち去ろうとしたその瞬間…兵士の首が宙を舞った。
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