第4話 スキルの制約
「地下っていうのは、どこの城も薄暗く殺風景ね…」
リゼットは、王宮の地下へと続く階段を降りながら呟いた。
ようやく、地下1階へ到着した。
等間隔で松明が灯されているが、やはり所々暗い…
「地下牢はどこにあるのかしら? 暗くて死角も多いし…道が入り組んでいるわね。」
リゼットは、魔力を消耗していた。
スキルは使えば使うほど、その分、魔力を消耗する。
スキルの種類は多岐にわたるが、攻撃スキルや防御スキル、サポートスキルなどは、単発的に使うことが多い《単発スキル》のため、基本的に発動した回数分、魔力の消費量は増える。
極一部の例外を除いては…
一方で『透過』などの感覚拡張系のスキルなど、《継続スキル》と言われるスキルは、一度発動させたら使用者が解除するまで有効なため、発動回数が極端に少なく、魔力の消費もあまりしない。
そして、スキルには、確固たる制約がある。
1. スキルの所有は、1人につき必ず1個のみ。
また、スキルの変更は一切できない。
ただし、宝具を装備している場合、宝具スキルを扱うこともできる。
2. スキルは、その威力に比例して魔力を消費する。
3. 魔力の所持量は人それぞれ決まっており、回復するには〔食事〕・〔休息〕・〔スキル〕のいずれかしかない。ただし、スキルによる回復は、回復量以上に魔力を消費するため、無限ではない。
4. 魔力が尽きた場合、3日間、休眠状態となる。
その間、目覚めることはない。
5. スキルには階級が存在する。
階級は下から順に、ノーマル(70%)・レア(25%)・スーパーレア(約5%)・レジェンド(0.001%)の4種。
階級は基本的に高ければ高いほど、スキルは強力かつ強大であるが、その限りではない。
このたった、5箇条だ。
仮にもし、魔力に際限がなく無限にスキルを使える者やレジェンド保持者が現れた場合…
そのスキルが、なんであろうが、たった1人で世界を滅ぼすことも、覇権を握ることもできる。
それ存在するだけで、世界各地にある王国のパワーバランスを一気に崩すことになる。
その存在を仲間に迎入れることができれば〔勝利〕が約束され、敵であれば〔敗北〕を余儀なくされる。
だから、どの国の国王もこの存在を手に入れるために躍起になって探していた。
スキルを使うために必要な《魔力》の最終的な問題は、使用者の肉体の魔力許容量が決まっていること…すなわち〔器〕の問題である。
この根本的な問題を解決しない限り、無限にスキルを使うことは到底できない。
もしここで、私の魔力が底を尽きれば、敵陣で3日間、休眠状態になる。
その先に待っているのは、恐らく死だけだ。
すると突然、「何者だ!」と前の暗闇から声がした。
敵兵に見つかったのだった…
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