9月(2021年) 新書類①
更新忘れてた。
①萩原淳『平沼騏一郎』(中公新書、2021)
戦前に関する本では絶対出てくる人。総理大臣でもあるけれど、それ以前に検察ン人として活動した。戦後は戦犯に。
一番驚きなのは平沼に関する本が出たこと自体。今後いろんな人の伝記的な本が出てくるのかもしれないなあと楽しみに思いました。
②関幸彦『刀伊の入寇』(中公新書、2021)
平沼も驚きだったけれど、こっちも驚きでした。ドマイナーな事件なので。
これは平安時代に起こった、刀伊(女真人)の来襲事件です。元寇よりも前に起こった異民族の襲来事件ということで、注目できます。ちなみにこれを迎え撃ったのは藤原隆家。道長の甥です。
③佐伯智広『皇位継承の中世史』(吉川弘文館、2019)
天皇位がどのように受け継がれたかを考える本です。中世は特に上皇との兼ね合いが複雑な上、南北朝に分裂したり、承久の乱で皇統が変更したりまた戻ったりと大混乱。現在は皇位継承者の不足が問題になるけれど、この頃は候補がいすぎたことが逆に問題になったといえるのか……。詳しくは本書で。
④菅野仁『友だち幻想』(筑摩書房、2008)
本屋に絶対ある本。大学の初めごろから本屋にいくといつもあった。社会学というのか、私には縁遠い学問領域です。入試問題にもなっている本というだけあってわかりやすい文章になっています。タイトルは「友だち」になっていますが、友だちだけでなく「ママ友」や「母娘」関係などにも言及されており、いろいろな人間関係に応用することのできる、処方箋のような本です。
⑤柴宜弘『ユーゴスラヴィア現代史 新版』(岩波新書、2021)
ヨーロッパの火薬庫と呼ばれたバルカン半島にかつて存在したユーゴスラヴィアに関する本。民族同士の紛争が如何にして起こり、どのように進んでいってしまったかが書いてあります。著者の柴宜弘さんは今年急逝されたそうです。研究の成果が学問という形で後世に残されていくのはすばらしいなあと感じました。
⑥楊梅英『独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで』(文春新書、2019)
タイトルの通り、中国共産党政権について書かれています。あまり知識がなくてもすらすら読める本だと思うので、中国の社会や現代史の基本的な流れをおさえたい方に強く勧めます。著者は内モンゴル出身の方で、そんなにあからさまに書いても大丈夫なのかなあと心配になるくらい中国を批判しています。もちろんそれは、学問に裏打ちされたものであり、ネットに転がるアンチとは全くの別物なのでご安心ください。
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