7月(2021年) 新書類③
⑧元木泰雄『藤原忠実』 人物叢書 (吉川弘文館、2000)
仲麻呂(⑥)は南家の人物ですが、こちらは藤原北家の人物です。道長の玄孫、頼通のひ孫で、上旬に読んだ彰子(①)同様、長生きな人物でした(1078~1162)。摂関政治から院政へと政治の力点が移り変わっていく過渡期に生きた人物で、
遠い昔、松山ケンイチさん主演で「平清盛」が大河ドラマになったときには、
⑨高杉洋平『昭和陸軍と政治』 (吉川弘文館、2020)
一つ前の『東條英機』に関連する本として読んだものです。戦前まで天皇の権利だった「
「統帥権」についても同様で、軍隊の統帥権は天皇にあるのだから政治が介入するのはおかしいという主張がしばしば唱えられていました。そういった経緯から、統帥権は軍部の暴走を許すものとしてクローズアップされてきました。が、これに対し違った切り口で述べたのがこの本です。統帥権は政治側の軍部への介入のみならず、軍部側の政治への介入の抑制にもなっていたとか。
その分野の専門家からすれば新説ではないのかもしれませんが、とても新鮮に読めました。
⑩岡崎守恭『遊王 徳川家斉』 (文藝春秋、2020)
急に江戸時代です。
50年という長い間将軍の座にあり、将軍を子の
ちなみに、松平定信の寛政の改革は家斉の時代の初期に、天保の改革を行った水野忠邦は家斉の時代に出世しました。化政(文化・文政)文化が栄えたのも家斉の時代です。習わないだけで、中学までに習ったであろう事項も、実は家斉の時代だったりします。
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