第10話 魔獣の住む森
パンザの店を出た後、広場で馬車と待機をしているセバスチャンの元へと向かう。
セバスチャンと合流をして、今後の流れが決めていく。
魔獣の生息する森へは馬車ではいる事ができないようなので入り口から歩いて向かうこととなり、
森の中には人数が多いと魔獣に余計なプレッシャーを与えてしまい襲われる可能性が高くなってしまうとの事で父のバルシュと2人で入ることとなった。
メリッサは最後まで心配して付いてくると聞かなかったが
バルシュとセバスチャンが説得を続けてなんとか了承してくれた。
母のメリッサは普段はとても優しい笑顔が魅力的な母だが
芯が強くパワーバランス的に見ても父より強く見える時がある。
街から出発をしてしばらく馬車で移動をすると
だんだんと街の風景から木々が増えていき森に近づいて来たのがわかった。
じきに日の光が木に遮られて暗くなり始めたところで馬車が止まる。
そこには木製の看板が立っている。
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この先、魔獣発生
冒険者同行必須
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ここから先が魔獣の住む森のようだ。
「セバス、ありがとう。
それではメリッサ行ってくるよ。」
「・・・あなた・・・やはり、私も連れて行ってください!」
「い、いや!だからダメだという話になっただろう!
入り口のところから近いところなら問題ないが、中心地に近い湖までいくとなると少人数じゃないと力の強い魔獣に警戒されてしまうのだ!」
バルシュが焦りながらも説き伏せる
「ぐむむ・・・わかりました・・・」
メリッサは子供のように悔しそうな顔をしながらもなんとか折れてくれた。
「「ふぅ」」
バルシュとセバスチャンが同時に冷や汗を拭う。
「母様、安心してください!父様がついてくれております!」
オレがそういうと、メリッサはいつもの優しい笑顔に戻り
「そうですね、ダイくれぐれもお父様の言う事を聞いて危なくなったら逃げるのですよ!
あなた!ダイをよろしくお願いいたしますね!」
「うむ、必ず無事に帰ってくることを約束する。それでは今度こそ行ってくるぞメリッサ」
「はい、お気をつけて行ってらっしゃいませ。」
「はい!行って来ます!」
オレはメリッサの心配を少しでも減らせるようにいつもより元気に返事をした。
鬱蒼とした森に入ると先ほどとは空気が変わり若干の寒気がした。
バルシュはピューイと指笛を吹く。
「キュイーーィ」と空から鳥の鳴き声がするとその鳥はバルシュの腕へと留まった。
1mほどのある大きな鳥は真っ赤な羽と3本の長い尾羽がとても神々しい。
「きれい」
オレは思わず声を漏らす。
「そうか、ダイは初めて会うのだったな。
こいつは私の従魔のマルフォ。フェニックスだ。」
フェニックスということは不死鳥!?
そんな魔獣までいるのか!
オレは初めて見る動物に感動をして、マルフォから目が離せなくなっていた
「よし!マルフォの紹介はこのくらいにいて先を急ぐぞ!
夜になってしまうとそれこそ危険度が上がってしまう。」
バルシュはそう言ってオレの意識を戻した。
コクリとバルシュの目を見て頷く。
そうだ、この先にはゴロウが待っているんだ!
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