第4話
「ヒノキの棒は、意外と強いぞ」4
「あんた達、旅に出たんじゃないの?」
カエルとカバくんは宿屋にあらわれた。
「何その潰れたベタベタなモンスターは?」
カエルの足元には潰れたスライムがいる。
「ベタベタとは失礼だな!」
スライムはカエルの母を睨んだ。
「コイツはネギネギ国から仕事を求めて出稼ぎに来たんだってさ!敵かと思って叩いたら潰れちゃったんだよ!しかも倒したのにお金くれないんだよ!そしたら働いて払うから仕事を紹介してくれって頼まれたのさ!」
「ベタベタに出来る仕事なんてないわよ!」
「そこをなんとか!なんでもしますから!この通り土下座します!」
既に潰れているから頭を下げているのが全く解らない……。
「母ちゃん頼むよ!俺の初めてのモンスター退治の相手なんだから仕事をあげてよ!潰れたら毒をはけるようになったんだから!」
母は少し考えて“よし!”と言って手を叩いた。
「お城の庭師さんに頼んでみるわ!」
庭師……?
3人はキョトンとした。
その日はそれぞれ家に帰ることにしてカバくんと別れた。スライムはカエルの家に行った。
次の日ー。
カエル……カエル……
朝よ……起きなさい
お城へ行くわよ……
カエルは母の声に起こされた。
「おはよう!庭師さんがお城で仕事してるから来なさいって言ってくれたよ」
「スライムのベタちゃん良かったね!」
「それはありがたいけど何で俺のご飯がドッグフードなんだよ?」
「なんだかペットみたいだから…」
ベタは舌打ちしたー。
お城へ行くとお堀の手前のプラタナスの並木道に庭師のゴンさんが煙管を吸いながら待っていた。
「おはようございます!」
「おう!来たな!お前がカエルに潰されたスライムか?」
「はい!スライムのベタです」
ベタは勝手に付けられた名前を名乗った。
「早速だがお前さんの毒でシロシトリって言う毛虫をやっつけられるか見せてくれ!」
「はい!」
ベタは飛び跳ねた。
カエルと母は一旦帰って行った。
ベタとゴンさんは毛虫だらけのカキの木の前に立っている。カキの木にはひとかたまりになった数百匹のシロシトリ見ている。
「コイツらが木や草を枯らしてしまうんだよ!やっつけられたら仕事がたくさん来るぞ!」
「お!やったね!これでネギネギ国に置いてきた家族に仕送りが出来る!」
「よしやれ!」
ゴンの合図でベタは毒を吐いて毛虫にかけると次々と毛虫は死んでいった。
こうしてベタは害虫駆除の仕事を始めたのである。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます