第3話
「ヒノキの棒は、意外と強いぞ」3
下町の人達に見送られてカエルとカバくんは町を出たのである。
卒業冒険ー。
気軽な旅とおもいきや、運が悪いと命を失うことになる過酷な旅になることもしばしばあるのである。毎年、30人程が旅に出るのだが無事に帰ってくるのは三分の一位なのである。命を失わなくても、旅先に居着いてしまう者もいる。家族が恋しくて直ぐに帰ってしまう者も居るが、その者は冒険をしたとは認められないのである。
カエルとカバくんはひたすら草原を歩いている。大きな雲がずっと2人を見ている。
「……飽きたな……」
カエルが言った。
「早くない?」
「だってずっと同じ景色だぜ?」
「しょうがないじゃん」
2人が会話をしながら歩いていると、正面の草がガサガサと揺れてからスライムが現れた。
スライムがあらわれた!
カエルは咄嗟にヒノキの棒でスライムを叩いた。
「痛い!」
スライムが慌てている。
スライムはカエルの腕に噛み付いた。
「こんにゃろ!!」
カエルは更に叩いてスライムをぺしゃんこに潰した。
「くそ!噛まれた腕が痛い」
「腕出して!回復呪文を使うから!」
「カバくん回復呪文を使えるの?」
「少しだけね!しみるかもよ!」
カエルは腕をカバくんに差し出した。
「マキーロン!」
「いてて!!」
カエルは滲みるのを我慢して堪えた。
カバくんは回復呪文が使えることが判明してカエルは、何だかやる気が出て来たぞ!と思った。
つづく
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