第19話

 夜が明けた。あおいは売れ行きの良かった、ポーションゼリーとエリクサー金平糖を錬金術で作ってから、街の店に向かった。

 途中、市場でクレープの材料を購入していると、クレイグに出会った。

「おはようございます、あおいさん」

「おはようございますクレイグさん」


「昨日は、素敵な商品ありがとうございました。エリクサー金平糖の効果はとても優れていました」

「ありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです」

 あおいはクレイグにお礼を言った。


「今日はこれからお店ですか?」

「はい」

 あおいがこたえるとクレイグが頷いた。

「それでは、私も買い物がありますので、荷物をお持ちしましょう」

 クレイグはあおいの買った小麦粉と牛乳を持った。


「あの、申し訳ないです。大丈夫ですから」

「一緒に歩く女性に、こんなに重い物を持たせるわけには参りません」

 クレイグは足取りも軽く、あおいの店に向かった。

 すぐに、あおいの店に着いた。


「ちょっと待っててくださいね」

 あおいは急いで店のシャッターを開けた。

「どうぞ、荷物はカウンターに置いちゃってください」

「はい、どうぞ」

 クレイグはカウンターにあおいの荷物を置いた。


「ありがとうございました。お礼に何かプレゼントしたいのですが、欲しい商品とかありますか?」

 クレイグはちょっと悩んでから、言った。

「それでは遠慮無く。チョコレートのクレープをください。あと、ポーションゼリーを10個お願いします」


「10個ですか!?」

 あおいが驚くと、クレイグは言った。

「面白いので王宮で配ろうと思いまして。あ、お代はちゃんと払いますよ」

「じゃあ、チョコレートクレープとポーションゼリー10個、用意するので少々お待ちください」

 あおいは台所に立つとクレープを焼きだした。


 だんだんと、あおいの店に列が出来る。

「盛況ですね」

「おかげさまで」

 あおいはチョコクレープと、ポーションゼリー10個を用意するとクレイグに渡した。

「今日はありがとうございました。ポーションゼリー10個で1ゴールドです。クレープ代はおまけです」


「ありがとうございます。あおいさん」

 クレイグは1ゴールドを渡し、チョコレートクレープとポーションゼリーを受け取った。

「それでは、また」

 クレイグは店を後にした。


「ありがとうございました!」

 あおいはクレイグの後ろ姿に声をかけた。

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