第6話
翌日、あおいが目を覚まし朝食を取っていると、ドアをノックする音が聞こえた。
「はーい、どちら様ですか?」
あおいがドアを開けるとロイドと、ローブをまとった少女が立っていた。
「おはよう、あおい。森に冒険に行くんだけど一緒に行かない?」
「そちらの方は?」
「ロイド様と一緒に冒険しているローラです」
「はじめまして。川崎あおいです」
ローラはロイドの背中に隠れてしまった。
「こいつ、人見知りだから」
「そうですか、ごめんなさいね」
あおいは微笑んでローラに頭を下げた。
「それで、一緒に行く?」
「そうね。行きます」
あおいは動きやすい格好に着替え、念のため武器屋で買った置いた杖を持った。
そして、昨日作ったポーションゼリーとエリクサー金平糖をカバンに入れた。
「おまたせ」
「じゃあ、森に行くよ」
ロイドが歩き出すと、ローラとあおいは後についていった。
「森にはどんなモンスターがいるの?」
「毒蛾とか、スライムとかいます」
小さな声でローラが答えた。
「そっか」
あおいは杖を握り直した。
森に入ると、緑の匂いがした。
「気をつけろ、スライムが居るぞ!」
「行くわよ!」
あおいが杖でスライムを殴ると、ぽよんとした手応えがあった。
「あおい、どいて!」
ロイドが剣でスライムを倒す。
「痛った」
「どうしたの? ロイド?」
あおいが尋ねると、ロイドは決まり悪そうな表情を浮かべて答えた。
「この前の傷が、直りきっていなくってね」
「じゃあ、これ食べてみて?」
そう言ってあおいは、カバンからポーションゼリーとエリクサー金平糖を出した。
「なんだこれ? えらく可愛くておいしそうだけど」
「ポーションとエリクサーよ」
あおいがそう言うと、ロイドは爆笑した。
「なんでこうなるんだ!? 食べ物限定って聞いていたけど凄いな」
「褒められている気がしないんですけど」
ロイドは笑いながらも、ポーションゼリーとエリクサー金平糖を食べた。
すると、ロイドの体から傷が消えた。
「うわ。美味しいし、効き目が凄い!」
「よかった」
ロイドとあおいが笑っていると、ローラが手を出した。
「わたしも金平糖、食べてみたい」
「どうぞ!」
ローラが金平糖を食べると、驚いた顔をした。
「甘くておいしい。それに、魔力が戻ってる」
「お礼にこれ、どうぞ」
ローラがさっき倒したスライムから、コアを取り出した。
「これ、錬金術の材料になるよ」
「ありがとう、ローラ」
あおいはそう言って、受け取ったコアをカバンにしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます