第33話 恋仲

1番大きな水槽の前に椅子があり、座って少し

休憩がてら話をした


「ライアー君はあの時本当にお父さんの教えで私を助けたの?」


「…何故そんな事を聞く?」


「気になっただけだよ。」


「どんな回答がお好みだ?」


「…違うって言ってくれたら嬉しいかも」


「…正直あの時は本当だった。」


「そっかぁ」


「でも」


「でも?」


「今は田宮なしじゃ生きれない気がする」


「え、それ、」


「なんだ?」


「告白…?」


「そうだったら嬉しいか?」


「うん、人生で1番嬉しい」


「告白だ。死んだ後もそばに居ろ」


「…うん…ずっとそばにいる…!!」


田宮は俺の隣で泣き崩れたあと、俺の肩に数分寄りかかった


「田宮…英華、好きだ」


「私も好きだよライアー君」


「…恥ずかしい。次行くぞ」


「ふふ、そうだね!!行こ!」


それから俺らは水族館を出て食事をし、夜中になったので帰ろうとした

大きな建物の前で袖を引っ張られた


「ねぇ、ライアー君…ここ、入ってみない…?」


「ここは?」


「ホテル…行こ?」


「な、は、早くないか?」


「そ、そうだよね…ごめん、帰ろ!!」


「…どうしてもって言うなら、行くか」


「…うん、行く」


俺らは寝床の上で体を重ねた


「か、帰るぞ」


「うん、ありがと」


「…大切な人の為ならなんでもしてやる」


「ほんと?」


「もちろんだ」


「ふふ、帰ろ!」


「あぁ。」


そして俺らは英華の家の前に着いた


「ライアー君!今日はほんとありがとう!楽しかった!」


「それならよかった。俺も、楽しかったぞ」


「ふふ!またあしたね!」


「あぁ。また明日」


俺は家へ帰った


「父上、たった今帰りました。遅くなってしまい申し訳ありません」


「帰ったか、ライアー。お前が無事なら全然いいんだ。ただ危険な者には気を付けてくれよ」


「はい、ご心配感謝いたします。」


「うむ、今日は特段疲れただろう。ゆっくり休みなさい」


「はい」


俺は今日の出来事を振り返りながら

就寝した


次の日になり、いつも通り学校に向かった

「おはよう、英華」


「お、おはよ、ライアー君」


「どうした?何かあったか?」


英華は耳元で囁いた


「き、昨日あんな事あったのに、恥ずかしくないの!?」


「あ、あれか、ちょ、すまない」


「ううん、幸せな気分に浸っとく!」


こんな事もあり、幸せな日常を送っていた

そんな日々にもやはり終わりはやってくる

6ヶ月後だった。

俺は半年記念としてネックレスをプレゼントしようと購入し、学校に向かった


「英華はもう来ているだろうか…」


「ねぇねぇ聞いた?」ボソッ


周りは何故か俺を見ながら小さい声で何かを話していた

そして自分の教室に着いて英華の机を見ると


「なんだよこれ」


机の上には花瓶に花が供えられていた


「お、おい、これはどういう事だ?イタズラか?」


「ライアー君、少しきてくれるかな?」


担任の先生に呼ばれた


「簡潔に言おう」


田宮英華さんが亡くなられた


「え…?」


俺は衝撃で膝から崩れ落ちた

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