第32話 田宮英華
何かあったのか…!?
俺は恐る恐るスマホを見た
"ども!いけてますか!"
「なんだよ」
"何かあったらと言ったはずだが?"
"いいじゃないですか!せっかくですし!"
「なんなんだ全く…」
"何の用だ?言ってみろ"
"暇だから話したくて連絡しました!"
"残念だが俺はもう寝る"
「ふん、今日から大変だな」
正直嫌な気は全くしなかった
そして次の日の朝
"おはようございます!起きましたか!"
「メンヘラか!?」
"今学校に向かう"
「父上、いってきます」
「うむ、頑張りたまえ」
学校に行く途中で田宮に出会った
「田宮、乗っていくか?」
「あ、おはようございます!いいんですか!?」
「あぁ、乗れ」
「ありがとうございます!!」
そして学校に着き、一緒にクラスへ向かった
「ねぇねぇ、あの人達付き合ってるのかな?」ザワ
「お似合いなんじゃない?ぷぷ」ザワザワ
「外野がうるさいな」
「私のせいで…すいませんほんと…」
「俺も元々評判は悪い。気にするな」
色々あったがその分楽しい事も色々あった
「ライアー君!今度この水族館行ってみたいんですけど…一緒に行きません!?」
田宮はどんどん明るくなっていた
俺は何故だかそれがとても嬉しかった
弱き者を助けただけだったのに
俺の中には何か違う別の感情が湧いていた
「こんな所でいいのか?」
「こんな所がいいんです!」
「わかった、行こう。送り迎えはじいやに頼んでおく。」
「あ、あの!2人でバス乗って行ってみません…?」
俺はそんな事初めてだった
いつもじいやに送ってもらっていた
だから不安な気持ちと楽しみな気持ちがあった
「わかった、その代わり乗り方や支払い方法は知らないからな。ちゃんと教えてくれよ」
「はい!!行きましょう!」
そして当日の朝
「父上、これから少し離れた水族館にバスで行ってきます。」
「おぉ、そうか。珍しいな、恋仲の女性でも出来たのか?」
「い、いえ、決してそのような相手ではありません。前に助けた者です」
「そうか。中々外出する事はないから充分に楽しんでくるといい。」
「ありがとうございます。行ってまいります」
俺は家を出て、待ち合わせのバス停に着いた
「おはようございます!ライアー君!」
私服の田宮は初めてだ。
「おはよう、私服は何か新鮮だな。似合ってるぞ」
「え、え!?ライアー君にそんな事言われる日があるなんて…嬉しいです」
「そうか?喜んでもらえてなによりだ」
「あの、敬語やめていい…?ですか?」
「むしろ早くやめろ。距離を感じる」
「!!!!」
田宮はとても眩しい笑顔でこちらを見ていた
「な、なんだ」
「ライアー君!今日は楽しみだね!」
俺は胸がドキドキしていた
初めての感覚だ
「そうだな、久々に楽しむとしよう」
「うん!さ、行こ!!」
それから俺らは水族館を楽しんだ
大きな水槽にサメやエイなど様々な魚が泳いでいる
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