第29話 天鬼の過去

今までの私の努力はなんだったのか

きょうかを絶対に守ると言っていたのに

なぜこんな状況になっているのか


「はは」


「はははははははは!!」


「あれ?おかしいなぁははは!笑いが止まらないや!!ははは!!」


私は涙が止まらなかった

なのになんで笑いが止まらないのか?

それはすぐに理由がわかった


「エリカ。こんな時に追い打ちをかけるのは申し訳ないが…お前に似た悪霊が出た。きっとお前の恨みから出たものだろう。ランクはSS。1人じゃ無理だろう。私も私の隊も同行させる」


この人は私の先生

現れたのは私の悪霊。天鬼だった。

一緒に討伐に向かった


「エリカ!!集中しろ!あいつが強くなってきている!!」


「あいつを見る度に思い出すんです…あの惨劇を…」


「エリカ!!あぶない!!」


天鬼は私の方へ向かってきて思い切り刀を振りかざしてきた


「いや!」


目の前が真っ暗になった

先生が私の目を手でおおって隠した


「エリカ。辛いだろう…この刀から伝わってくる…お前を苦しめてしまってごめんなぁ…」


「先生…?」


「エリカ。最後に1つお前に助言を…いや、一言伝えておきたい。絶対に忘れるな。」


私はいつもお前を1人の生徒として愛していた。


「え?」


「どんなに辛い過去があろうとそれを超える幸せな未来がお前を待っている。ここで終わるな。走り抜けろ。お前の幸せはここからだ。」


「先生…せんせー!!うわぁぁぁあ!!」


私は泣きそうになった

だけど先生が言っていた言葉を思い出し

天鬼に立ち向かった


「あなたは私。だからあなたの事は私が1番理解してる。あの時私を笑わせたのは、きょうかの死をあなたが喜んだからだと思った。でも違う。私の気持ちを紛らわすためだったんだよね?」


天鬼は涙を流し、刀を捨てて私の前に立った


「私達、1つに戻ろ?あなたとは、沢山愚痴りたいの。あのクソ親父の事とか!私の元へ」


さぁ、おいで


それから私と天鬼は1つになった

私は天鬼と共に戦うと決めた

次こそは大切な存在を守れるように


「貴様は絶対に…許さない!」


「天鬼…すごい…空気がビリビリしてる…」


「ナンダオマエ!チョウシニノリヤガッテ!」


悪霊は構えて何かの準備し始めた


「あれは…ファンクション…!?」


「ファンクション?」


「ヘブンタクティクス、ヘルタクティクスを持つものが能力を極めた末に習得する事が出来る特別な技です。それを悪霊がなぜ…」


「コレデオワラセテヤル!!シネェ!」


熱烈残焼斬


「天木先生!!あぶない!!」


「使えるのが貴様だけだとでも思っているのか?」


「ナニ!?!?」


「ご安心ください。無論、エリカさんも習得済みです」


「ヘブンファンクション 天鬼断裂斬!!」


天木先生は刀を1振りした

その瞬間悪霊は行動を止め棒立ちになった


「なんだ!?いきなり動かなくなった…?」


「相手のエリカさんを殺すという意思自体を断裂し、相手の意志を無かったことにする事で相手は何をしようとしていたのか忘れた状態になります。」


「私の大切なものを傷付けた瞬間貴様の命は終わっていた。自分の行動をもう一度転生して悔い改めろ」


「ウギャァァァアァァア!!」


天木先生が悪霊を祓った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る