第28話 天木の過去
絶対にこいつを殺してやる
そう思い始めたのは私が4歳の頃
私は父と母から虐待を受けていた
「おとーさん!おかーさん!あたし3さいになるの!」
「知らねーよ。おい!酒早く持ってこいよ。もうねぇだろ。見てわかんねーのか」
「ご、ごめんなさい!ほらえりか!早く持ってきなさいよ!」
「…はい…」
私はビールの瓶を持ってお父さんの元へ行く
「おとーさん!はい!」
「ん」
私は空の瓶を渡された
「おら、誕生日プレゼントだ。さっさとあいつに渡してこいや!」
「あ、ありがとう!持っていきます」
そんな私にももっと頑張って生きようって思える存在が出来た
そう。妹が出来た
「わぁ!赤ちゃんだぁ!」
「ったく、うっせぇガキだな!さっさと泣き止ませろ!」
「ごめんなさい!エリカ!!さっさと黙らせなさい!!」
「うん…わかった…」
「あぶぁ…ばぁ」
「んふふ、かわいい!」
この子はキョウカ
私の妹
この子だけは絶対守ろうって決めてた
でも状況はさらに悪化していって…
6歳の頃だった
「おとうさん…ごはん…」
「うるせぇな!!さっきやったろうが!!」
「わたしはっぱしかもらってないよ…?」
「充分だろうが。ありがたいと思えや!!」
この時にはもうお母さんはいなくて
あいつと私達の3人だった
「おねがい…せめてきょうかに…」
「あーまじうっせぇな…黙って寝てろよ!!」
「いたい!」
私は思い切り髪を捕まれ壁に叩きつけられた
「きょうか…ごめんね…」
「ねぇちゃん…おなかすいたよぉ…」
「ごめんね…ごめん…ね…」
そして私は息を引き取った
私は6歳の時に死んであの世へ行った
「ここは…どこ…?」
「君も来てしまったのか…こんな小さいのに…」
「お兄さんはだあれ?」
「私は閻魔様だよ。君は死んでしまったんだ…」
「私死んじゃったの…?」
「そうなんだよ…怖いかい?」
「ううん、それよりきょうかが…」
「きょうか…妹だね?」
「私が守らなきゃいけないのに…」
「あの子を守るたった一つの方法がある。君があの子の場所へ行って守るんだ。そのために強くならなければいけない。」
私は正直何を言ってるかわからなかった
でも守れるって聞いてそれで
ガーディアンになるって決めた
「きょうかを守れるなら私、なる!!」
そしてガーディアンになり、4年がたった時
初めての霊道帰還でやっときょうかの場所へ行けるようになった
そして向かったけれど見た光景は…
「てめぇ!調子のってんじゃねぇぞ!」
「おまえのせいで!!お姉ちゃんは!」
「てめぇ!!」
私がきょうかの場所に着いた時見たのは
包丁が胸に刺さって倒れている父と
頭から血を流して倒れているきょうかだった
「きょう…か…?」
「きょうか!!きょうか!!ねぇ!起きてよきょうか!!」
私の声は届かない。私がもうこの世界の人間じゃないからか
はたまたきょうかがこちらへ来ようとしているからか
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